工作で「次は何する?」と止まる子へ|放デイで試す写真の手順カード

工作は好きなのに、説明が終わると手が止まり、何度も「次は何する?」と聞く。放課後等デイサービスで、どんな手助けを相談すればよいか迷っていませんか。

まず相談したいのは、説明を繰り返すことだけでなく、次の作業を手元で確かめられるようにすることです。写真の手順カードを一緒に見ながら、本人に分かる情報の量や示し方を探します。カードを置けば解決するとは限らないため、止まった場面に合わせて調整するところまでが大切です。

「説明を聞いていない」と決める前に、止まる場所を確かめる

「紙を折って、印を付けて、切って、台紙に貼ってね」。この説明の後で動けなかったとき、最初の作業が分からないのか、途中の順番が分からなくなったのかで、試したい支援は変わります。

国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターは、指示を理解しにくい要因を確かめた上で視覚的な補助などを組み合わせ、具体的で簡潔な指示から始めることを示しています。長い説明や、複数の内容を含む指示への配慮も挙げています。指示を理解するための指導・支援

放デイには、「工作が苦手です」だけでなく、次のように止まった位置を伝えてみてください。

  • 折るところまでは進むが、その後に使う道具を探して止まる。
  • 見本の完成品は見ているが、今の材料をどう変えるか分からない。
  • 隣の子を見て進めるものの、作業が違うと手が止まる。

一方、次の作業を指させても手を動かせない場合は、順番の説明だけでなく、道具の扱い方や材料の状態を確かめたいところです。本人が「今日は作りたくない」と伝えているなら、その意思も別に受け止めます。

こども家庭庁の放課後等デイサービスガイドラインでも、一人ひとりの認知の特性を理解し、情報を適切に処理できるよう支援することが示されています。全員に同じ説明カードを渡すのではなく、本人に合う示し方を検討するための基本となる考え方です。放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)

写真の手順カードは「次の動き」が分かるように作る

ここでは、切り抜いた紙を台紙に貼る飾りづくりを例にします。以下は支援方法を検討するための作成例であり、FabriCoでの実施報告ではありません。

完成品の写真とは別に、途中の状態を撮影してカードにする案です。最初は、本人が止まりやすい工程に絞って用意してもかまいません。

工程 写真に写す内容 添える言葉の例 確かめたい様子
紙を折る 折る前の紙と、角を合わせる位置 かどを あわせる どことどこを合わせるか分かるか
線に沿って切る 切る線が見える紙 せんを きる 切り始める場所を見つけられるか
台紙に貼る のりを付ける面と、置く場所 うらに のりを ぬる/だいしに はる この工程をさらに分ける必要があるか

写真は、実際に使う材料を机に置いて撮る方法から試せます。背景の飾りや別の道具は外し、何を見てほしい写真なのかを絞りましょう。動かし方が伝わらなければ、写真を増やす前に、大人が実物で一度示す選択肢もあります。

「のりを塗って貼る」を一枚で理解できる子もいれば、「裏返す」「のりを塗る」「台紙に置く」と分けた方が確かめやすい子もいます。工程数を先に決めず、本人が使える単位を探してください。

写真が必須というわけではありません。岩手県の学校公開教材でも、カードは子どもが分かりやすい写真・絵・シンボル・文字で作り、目的や使う場所に応じて形を工夫する方法が紹介されています。各種カードの使用例

カードを渡した後は、一緒に使い方を確かめる

用意したカードを机に並べるだけでなく、「ここを見れば次が分かる」と本人が確かめられるように使い始めます。放デイでは、次の流れを相談してみましょう。

  1. 今からする作業を一緒に確認する。大人が写真と実物を指し、「今はここ」と短く伝えます。
  2. 作業後に、終わった位置を確かめる。カードを裏返す、横に移すなど、本人が扱える方法を試します。
  3. 次のカードを見る間をつくる。大人がすぐに次の指示を出さず、本人が探せるかを見ます。困っていれば一緒に確認します。

全部の流れを知ってから始めたい場合は、全体の一覧を残す案があります。逆に、並んだ写真が多いと見る場所が分からない場合は、今の工程だけ手元に出す方法を比べてみてください。

試した後は、完成の速さよりも「どこを見て進めたか」を振り返ります。例えば、「カードを見て切る作業に移った」「貼る面は分からず、大人の実演を見た」と残せば、次に直す箇所が具体的になります。

うまく使えないときは、本人ではなくカードの条件も見直す

カードを見なかったからといって、その方法が全面的に合わないとは限りません。ただし、見せ続けて使わせることを目標にせず、何が確かめにくいかを支援者と検討しましょう。

  • 写真と材料を結び付けにくい:カードの写真と同じ材料を横に置き、対応が分かるか確かめる。
  • 次に見る場所を探せない:今のカードを指す印を付ける、終わったカードを移すなど、位置を分かりやすくする。
  • 写真を見ても動作が分からない:実物を使った実演や、手元の短い動画で示す方法を検討する。
  • 順番は分かるが作業で止まる:工程の説明を増やす前に、切りにくさや貼りにくさなどを確かめる。

紙とタブレットのどちらを使うかも、試す条件の一つです。紙なら工程を並べて残す案、端末なら必要な写真を拡大する案が考えられます。ICTを使うこと自体ではなく、本人が必要な情報を取り出せるかで比べてください。

なお、刃物などを使う工程では、カードがあることと安全に作業できることを分けて考えます。必要な見守りや介助については、その活動を担当する職員と確認しましょう。

放デイの見学では「手順をどう変えられるか」を聞く

さいたま市周辺でものづくり活動のある放デイを探す際、この困りごとについては「工作をしていますか」から一歩進めて聞いてみてください。

例えば、「切った後に次が分からなくなります。手元に写真を置いたり、工程を分けたりできますか」と伝えると、相談したい場面が明確になります。

その上で確かめたいのは、カードの有無よりも調整の仕方です。「写真で分からなかったらどう示すか」「本人がどこを見て進めたかを保護者に伝えられるか」を尋ねてみましょう。見学だけで適否を決め切れない場合は、利用後に何を確かめるかも聞いておくとよいでしょう。

FabriCoは、ものづくりをテーマに、手を動かす活動を通じて自分や他者、社会への関心を育てることを掲げています。FabriCoの支援の考え方

本記事の手順カードや動画の作成、個別の提示方法について、具体的にどこまで対応できるかは公開情報だけでは分かりません。相談・見学時に、止まりやすい工程とともに確認してください。

よくある質問(FAQ)

文字が読めなくても手順カードは使えますか?

写真や実物を手掛かりにする方法を試せます。ただし、写真を見て作業が分かるかも確かめる必要があります。文字をなくせば十分とは考えず、写真と材料を一緒に示すところから支援者に相談してください。

カードに頼ると、自分で考えなくなりませんか?

高知市の視覚支援資料では、絵カードを使うことで考える力がつかないということはないと説明しています。カードを使わずに覚えることだけを目標にせず、自分で確かめながら進める道具として考えてみましょう。高知市「視覚支援で使えるイラスト集」

カードの順番と違う作り方をしたら、戻した方がよいですか?

安全や材料の性質に支障がないかを確認し、別の順番でも作れるなら、その方法を尊重する案があります。手順カードは作品を同じにそろえるためではなく、次の作業が分からないときの手掛かりとして使います。

家庭でカードを作ってから見学に行く必要がありますか?

作って持参する必要はありません。「折るところはできるが、次に何をするか分からなくなる」など、止まる場面を伝えるところからで十分です。使っている説明書があれば、それを見ながら話す方法もあります。

カードを嫌がる場合も、練習した方がよいですか?

無理に使わせる前に、嫌な理由を確かめましょう。写真が分かりにくいのか、机が狭くなるのか、人に見られたくないのかで、試す方法は変わります。実物の見本や短い説明を希望するなら、その方法も含めて相談してください。

FabriCoへ、工作で止まる場面を伝えてみませんか

「説明が分からない」だけでなく、「折った後、次の道具が分からず止まる」と伝えると、試したい支援を具体的に話し合えます。写真、実演、ICTなどのうち、本人が確かめやすい方法を検討するきっかけにしてください。

FabriCoへの相談・見学では、ものづくり活動の進め方や、お子さまに合わせた手順提示についてお尋ねください。FabriCoへの相談・見学、施設の利用方法はこちら

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