障害児支援利用計画案に事実と違う記載があったら|同意前の訂正依頼のしかた

相談支援事業所から届いた障害児支援利用計画案に、「一人で登校できる」など、実際とは違う記載がある。作ってもらった手前、直してほしいと言いにくく、そのまま署名してよいか迷うこともあるのではないでしょうか。

事実と違う箇所は、同意する前に作成した相談支援専門員へ伝え、修正後の文面を確認しましょう。国の運営基準では、計画案の内容を説明し、文書で同意を得ることが定められています。内容の確認は、その手続きの大切な一部です。根拠は指定障害児相談支援の運営基準・第15条で確認できます。

この記事は、利用中の支援を見直す方法ではなく、受け取った計画案の事実誤認を、同意前にどう訂正依頼するかに絞って説明します。

計画案の確認は、文章をきれいに直す作業ではない

さいたま市は、障害児支援利用計画案について、本人の課題や支援方針、利用するサービスなどを記載するものと説明しています。相談支援事業所に作成を依頼する場合は、面談などを経て計画案を受け取る流れです。詳しくはさいたま市の申請手続き案内に掲載されています。

読むときは、専門用語の言い回しをすべて直そうとせず、「この記載から、子どもの生活が正しく伝わるか」を確かめてみてください。

例えば、保護者が校門まで付き添っているのに「一人で登校できる」と書かれていれば、実際に必要な手助けが抜けています。一方、「登校時に保護者の支援が必要」という表現なら、普段の言葉と違っていても、内容は合っているかもしれません。

まずは、表現の好みと、支援の前提が変わる誤りを分ける。この順番なら、直してほしい理由を伝えやすくなります。

「訂正したい事実」と「説明を聞きたい判断」を分ける

気になる記載があっても、すべてを同じように「間違いです」と伝える必要はありません。次の例は、確認方法を考えるための架空例です。

計画案の記載 実際の状況・疑問 依頼のしかた
一人で登校している 保護者が校門まで付き添っている 現在の登校方法への訂正を依頼する
本人は集団活動を希望している 保護者の希望として伝えた内容で、本人には未確認 誰の希望かを書き分けてもらう
家庭での声かけが必要 どの場面を指すか分からない 記載の根拠と想定場面を尋ねる

事実が確認できる誤りなら、「現在はこうです」と訂正案を添えます。専門員の判断や要約が含まれる部分は、「どの話をもとにした記載でしょうか」と説明を求めるところから始めましょう。

国の基準は、計画案に子どもと家族の生活に対する意向、生活全般の課題、支援の目標などを記載するよう定めています。希望の主語が気になるときは、この区別を手がかりに確認してください。参照:指定障害児相談支援の運営基準・計画案の記載事項。

「本人の希望がまだ分からない」なら、分かったことにして文章を完成させるのではなく、未確認であることをどう残すか相談する方法があります。

訂正依頼は「該当箇所・現在の記載・訂正案・確認材料」で伝える

計画案全体を説明し直すより、直してほしい箇所と内容を対応させるほうが、確認の行き違いを避けやすくなります。次の形を、メールや手元のメモに使ってください。これは本記事で提案する整理方法で、提出必須の様式ではありません。

  • 該当箇所:書類の日付、ページ、欄の見出し
  • 現在の記載:確認したい文をそのまま抜き出す
  • 訂正案:現在の状況が伝わる短い文
  • 確認材料:いつからの状況か、何をもとに確認できるか

例えば、次のようにまとめます。

「生活状況」欄の「一人で登校している」について訂正をお願いします。現在は保護者が校門まで付き添い、校門から教室へは本人が移動しています。「保護者が校門まで付き添って登校している」という記載を希望します。面談でも、校門で引き渡している状況をお伝えしました。

確認材料は、最初から大量に添付しなくても構いません。「家庭で把握している状況」「学校から聞いた内容」「書類に記載された情報」のどれかを示し、追加の資料が必要か尋ねる形をおすすめします。

学校での状況がはっきりしない場合は、家庭の推測で訂正内容を確定させず、「この部分は学校への確認が必要です」と伝えましょう。

言いにくいときに使える連絡文

計画案の作成をありがとうございます。内容を確認したところ、同意前に事実関係を確認したい箇所がありました。該当箇所と訂正案をお送りします。確認後、修正した案を拝見してから同意の手続きを進めたいです。提出予定日への影響も含め、進め方を教えてください。

謝罪を重ねる必要はありません。「文章が気に入らない」ではなく、「現在の生活と違う部分を合わせたい」と伝えることがポイントです。

修正後は、直した一文と関連する欄を照合する

修正版が届いたら、最初から漫然と読み直すのではなく、自分が依頼した箇所から確認してみてください。

  1. 依頼した事実が、修正後の文面に反映されているか確かめる。
  2. 関連する生活状況や週間予定などに、古い記載が残っていないか見る。
  3. どの案について同意するのか、書類の日付や修正版の表示を確認する。

登校状況を直したのに、別の欄には「付き添い不要」と残っている、といった食い違いがないかを見るためです。確認した版と手元に残す版が同じかも、専門員に確かめましょう。

国の基準では、作成した計画案を本人側に交付することが定められています。修正後の案を手元で確認したい場合も、交付方法を相談してください。参照:指定障害児相談支援の運営基準・第15条第2項第9号。

保護者の控えだけを書き換えて終えるのではなく、事業所が扱う案にも訂正内容が反映されたかを確認することをおすすめします。

提出期限が近いときは、訂正と提出日程を一緒に相談する

「今直してもらうと申請が遅れるのでは」と心配な場合は、訂正依頼と同時に、提出済みかどうか、提出予定日はいつかを尋ねましょう。

さいたま市では、障害児支援利用計画案を区役所に提出する手続きが案内されています。ただし、訂正内容や提出段階に応じて差し替えが必要か、どの方法で対応するかは、今回確認した市の案内だけでは判断できません。市の手続き案内を確認し、相談支援専門員を通じて、必要に応じてお住まいの区の支援課へ確認してください。

連絡するときは、「訂正すると必ず遅れますか」という聞き方より、「この箇所を確認したうえで提出するには、いつまでに何をすればよいですか」と尋ねると、次の行動を決めやすくなります。

担当者との説明がかみ合わないときは、事業所の管理者に、元の記載と訂正を希望する理由を見てもらう方法もあります。事実の訂正と、支援方針への意見の違いは分けて相談しましょう。

よくある質問(FAQ)

署名を求められた場で、すぐに同意しなければいけませんか?

国の基準は、内容の説明と文書による同意を求めています。事実関係を確認したい場合は、その場で不明点を伝え、確認後に同意する進め方を相談してください。提出期限がある場合は、回答する日も合わせて決めましょう。参照:指定障害児相談支援の運営基準・第15条。

誤字だけでも訂正をお願いしてよいですか?

氏名や学校名など、別の情報として受け取られる誤りは具体的に伝えましょう。意味が変わらない表記の好みとは分けて、「この部分は正確な名称に直したいです」と依頼すると明確です。

電話で訂正内容を伝えてもよいですか?

連絡手段は事業所に確認してください。電話で話した場合も、最後に該当箇所と訂正内容を読み合わせ、修正版をどう確認するか決めておくと安心です。本記事の整理メモを手元に置いて話す方法もあります。

子どもと保護者の希望が、一つの希望として書かれています。

「この部分は保護者の希望です。本人にはまだ確認できていません」など、誰の意向かを伝えて書き分けを相談してください。本人の希望を確かめる方法を考えることと、未確認の希望を本人の発言として残さないことを、分けて扱いましょう。

同意した後で誤りに気づいた場合は?

気づいた時点で作成した相談支援専門員へ連絡し、該当箇所を伝えてください。提出や交付がどこまで進んでいるかによって対応の確認が必要なので、自分の控えだけを直さず、修正版の扱いを相談しましょう。

FabriCoへの相談・見学をご検討の方へ

相談するときは、書類をすべて説明し直そうとせず、「この欄の、この一文が現在の状況と違う」と示すところから始めてみてください。すでに別の相談支援事業所が計画案を作成している場合は、まず作成した専門員への訂正依頼が出発点です。

FabriCoへの相談・見学を検討されている方は、気になっている書類の種類と、確認したい箇所を整理したうえでお問い合わせください。相談支援についての受付状況や対応範囲は、個別にご確認いただけます。

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