「相談支援は無料と聞いたのに、重要事項説明書には料金が書いてある」。契約を前に、あとから支払いが必要になるのか気になっている保護者の方もいるのではないでしょうか。
制度上の障害児相談支援は、給付費で賄われる相談支援そのものについて利用者の自己負担はありません。ただし、通常の事業実施地域外の自宅への訪問交通費などは、分けて確認する必要があります。さいたま市も、相談支援事業所に障害児支援利用計画案の作成を依頼する場合は費用がかからないと案内しています。まずは「何の費用が書かれているか」を見分けましょう。
出典:さいたま市「児童福祉法に基づく障害児通所支援について」の計画案作成の案内
「料金が書いてある」と「家族が支払う」は同じではありません
相談支援事業所の説明書にサービスの料金が載っていても、それだけで保護者への請求額とは判断できません。サービスに必要な費用と、そのうち家族が負担する金額は別だからです。
さいたま市の事業者向け手引きでは、障害児相談支援給付費などの報酬は国・県・市の公費から支払われ、報酬額の全額が給付費として支給されるため、利用者の自己負担はないと説明されています。
出典:さいたま市「相談支援事業所の指定に関する手引き」の報酬の考え方
料金表を見て迷ったら、次のように聞いてみてください。
「この欄は事業所が受け取る給付費の説明ですか。それとも、私たちが支払う金額ですか。家族への請求がある項目を分けて教えてください」
「無料ですよ」という返答だけで終わらず、保護者が支払う欄がどこなのかまで一緒に確かめると、書類を家で読み直すときにも迷いにくくなります。
費用は三つに分けて確認する
契約書や重要事項説明書を読むときは、すべての金額を一括りにせず、次のように整理する方法をおすすめします。
| 書かれている費用 | 見分けるポイント | 事業所への質問 |
|---|---|---|
| 障害児相談支援の計画作成・継続的な見直しに係る費用 | 給付費として支払われる費用かを確認する | 「この費用について保護者の自己負担はありますか」 |
| 自宅訪問の交通費 | 訪問先が通常の事業実施地域内か、地域外かを確認する | 「私たちの住所への訪問で交通費は発生しますか」 |
| 別のサービスや追加の依頼に関する費用 | 障害児相談支援とは別の契約・依頼なのかを確認する | 「相談支援の利用に必須ですか。何を依頼した場合の費用ですか」 |
これは請求の適否を一律に決める表ではなく、説明を受けるための分類です。「事務手数料」「その他実費」とだけ書かれている場合も、何に対する費用なのかが分かるまで、具体的な内訳を尋ねましょう。
なお、通所受給者証に記載される利用者負担上限月額と、相談支援の費用は混同しないようにします。さいたま市の案内では、通所サービスの利用者負担と、費用がかからない相談支援事業所への計画案作成依頼は別に説明されています。
訪問交通費は「市内かどうか」だけでは決めない
自宅で面談してほしいときは、事業所の所在地だけでなく、重要事項説明書などに記載される「通常の事業の実施地域」を確認してください。
国の運営基準第12条では、保護者の選定により通常の事業実施地域以外の地域の自宅を訪問して相談支援を提供する場合、その交通費を受け取ることができるとされています。また、その交通費は、あらかじめ金額を説明し、保護者の同意を得る必要があります。
出典:e-Gov法令検索「指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準」第12条
例えば、候補の事業所から「訪問できます」と回答があっても、訪問可能であることと交通費がかからないことは別の確認です。これは条件を整理するための想定例で、特定の事業所の料金を示すものではありません。
- 自宅の住所は、通常の事業実施地域に含まれているか
- 交通費が発生するなら、どの経路・範囲を計算に使うか
- 一回の訪問でいくらになるのか、訪問前に確認できるか
- 支払方法と領収書の受け取り方はどうなるか
負担が難しければ、その事情も伝えましょう。「交通費を負担しにくいため、必要な面談の進め方について別の方法を検討できますか」と相談します。訪問を省略できる、オンラインに必ず変更できるとは限らないため、必要な支援を保ちながら調整できる範囲を確認することが大切です。
契約前に使う「費用確認シート」
次の項目をメモに写し、説明を聞きながら埋めてみてください。未回答の欄は「無料」とせず、「確認中」と残します。
- 費用の名称:説明書に書かれている名称をそのまま記入
- 何をしたときに発生するか:計画作成、自宅訪問、別の依頼など
- 家族の支払い:なし・あり・確認中
- 金額または計算方法:口頭説明だけでなく、記載箇所も確認
- 説明書の該当箇所:ページや項目名
- 未解決の点:誰が、いつまでに回答するか
記入例なら、「自宅訪問交通費/自宅は実施地域に含まれると説明あり/家族の支払いなし/重要事項説明書の交通費欄を確認」という形です。これは書き方の例であり、すべての事業所で同じ扱いになるという意味ではありません。
国の運営基準第5条は、利用開始に当たり、サービス選択に必要な重要事項を記した文書を交付して説明し、開始への同意を得ることを定めています。分からない費用があれば、説明書の該当箇所に戻って確認しましょう。
出典:e-Gov法令検索の運営基準第5条「内容及び手続の説明及び同意」
金額のある書類が届いたら、請求書か通知かを確かめる
利用開始後に金額の入った書類が届いても、すぐに振り込むのではなく、書類の目的を確認してください。
障害児相談支援には、事業所が保護者に代わって給付費を受け取る「法定代理受領」があります。運営基準第14条では、事業所がこの方法で給付費を受け取った場合、その額を保護者へ通知することとされています。代理受領した金額を知らせる通知は、それだけで保護者への支払請求を意味するものではありません。
出典:e-Gov法令検索の運営基準第14条「障害児相談支援給付費の額に係る通知等」
判断できない書類には、次の文例が使えます。
「届いた書類について確認したいです。これは事業所が受領した給付費の通知でしょうか。それとも保護者への請求でしょうか。請求の場合は、対象となるサービス、費用の内訳、事前に説明を受けた箇所を教えてください」
法定代理受領を行わない扱いも運営基準に定められているため、支払いの案内をすべて誤りと決めつけることも避けます。その説明を受けた場合は、立替えの要否や給付費の申請方法を、事業所と自治体の双方に確認してください。
説明を聞いても整理できなければ、書類名、対象月、請求元、内訳を手元にそろえ、お住まいの区の支援課へ問い合わせましょう。さいたま市は、制度の質問・不明点について区の支援課を窓口として案内しています。
よくある質問(FAQ)
世帯の所得が高いと、相談支援も有料になりますか?
給付費で賄われる障害児相談支援そのものには、利用者の自己負担はありません。通所サービスの所得に応じた負担上限月額と分けて考えてください。根拠は、前掲のさいたま市の手引きと費用負担の案内で確認できます。
相談支援専門員が自宅に来る場合、必ず交通費がかかりますか?
必ずかかるわけではありません。前掲の運営基準第12条にある通常の事業実施地域外への訪問に当たるか、事業所がどのように扱うかを確認します。金額が不明なままなら、訪問前に説明を求めましょう。
料金表に書かれた金額を、毎月支払うのでしょうか?
金額だけでは判断できません。給付費の説明なのか、交通費などの家族への請求なのかを確かめます。「保護者が実際に支払う項目を示してください」と聞くと、確認箇所を絞れます。
コピー代やキャンセル料も無料と考えてよいですか?
一律に無料、または請求可能とは断定できません。名称だけで判断せず、何の費用か、どの依頼・条件で発生するのか、説明書の記載と根拠を確認してください。個別の請求の適否が分からない場合は、自治体にも相談しましょう。
FabriCoの訪問交通費はいくらですか?
今回確認した公開情報だけでは、個別の訪問交通費やその他の費用条件は確認できませんでした。希望する相談内容と住所を伝え、最新の重要事項説明書に基づく説明を受けてください。
FabriCoへの相談では、費用の疑問も一緒にお伝えください
FabriCoの「こども相談支援Un-School計画」は、福祉サービスの利用に向けた相談や計画づくり、申請・手続きのサポートを案内しています。詳しくはFabriCoの相談支援の案内をご確認ください。
問い合わせの際は、「障害児相談支援を希望しています。契約前に、家族が支払う費用があるか確認したいです」と添えていただくと、知りたいことが伝わります。料金欄で分からなかった言葉を、そのまま質問しても構いません。
参考にした情報
- さいたま市「児童福祉法に基づく障害児通所支援について」
- さいたま市「相談支援事業所の指定に関する手引き」令和6年4月作成
- e-Gov法令検索「児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準」

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