この記事でわかること
- 「きょうだい児」が抱えやすい気持ちと心理的負担
- 保護者自身のメンタルケアの重要性
- 相談支援事業所が家族全体をどう支えるか
- 放課後等デイサービスが家族にもたらす効果
- 家族全員が笑顔でいるための支援の形
「この子のことばかりで、上の子に申し訳ない」
発達に特性のあるお子さまを育てていると、どうしてもそのお子さまに手がかかります。
通院、療育、学校との面談、放デイの送迎…。気がつけば、毎日がそのお子さま中心に回っている。
そんなとき、ふと思うのです。
「上の子(下の子)のこと、ちゃんと見てあげられているかな」 「あの子にも寂しい思いをさせているんじゃないか」 「きょうだいなんだから、と我慢させてしまっている」
そして、親御さん自身も疲れ果てている。
「誰かに話を聞いてほしいけど、どこに相談すればいいかわからない」 「自分のことは後回し。そんな余裕なんてない」
この記事は、そんな親御さんに向けて書きました。
発達支援は、本人だけのものではありません。家族全体を支えることが、本当の支援です。
目次
- 「きょうだい児」という存在
- きょうだい児が抱えやすい気持ち
- 保護者自身のメンタルケア
- 相談支援事業所が家族を支える仕組み
- 放課後等デイサービスが家族にもたらす効果
- 家族全員が笑顔でいるために
- よくある質問(FAQ)
「きょうだい児」という存在
「きょうだい児」とは、障害や病気のある子どもの兄弟姉妹のことを指す言葉です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| きょうだい児 | 障害・病気のある子の兄弟姉妹 |
| ヤングケアラー | 家族のケアを担う18歳未満の子ども |
きょうだい児は、幼い頃から「障害のある兄弟姉妹がいる家庭」で育ちます。それ自体が悪いことではありません。でも、特有の経験や感情を持ちやすいことは、知っておいてほしいのです。
きょうだい児は「見えにくい存在」
発達支援の現場では、どうしても「本人」に注目が集まります。保護者との面談でも、話題の中心は本人のこと。きょうだいの話が出ることは、あまりありません。
でも、きょうだい児も家族の一員として、様々な影響を受けています。
「見えにくい」からこそ、意識的に目を向ける必要があるのです。
きょうだい児が抱えやすい気持ち
きょうだい児が抱える気持ちは、年齢や性格、家庭環境によって様々です。ここでは、よく聞かれる声をご紹介します。
①我慢・遠慮
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」 「あの子の方が大変だから」
こうした言葉を繰り返し聞くうちに、自分の気持ちを言えなくなることがあります。
| きょうだい児の心の声 |
|---|
| 「本当はもっとお母さんに甘えたい」 |
| 「自分もかまってほしいけど、言えない」 |
| 「わがままを言ったら迷惑をかける」 |
②複雑な感情
きょうだいに対して、愛情と同時に複雑な感情を抱くことがあります。
| きょうだい児の心の声 |
|---|
| 「大好きだけど、ときどき嫌いになる」 |
| 「いなければいいのに、と思ってしまう自分が嫌だ」 |
| 「こんなことを思う自分は悪い子だ」 |
こうした感情は自然なものです。でも、「こんなこと思っちゃいけない」と自分を責めてしまうことも少なくありません。
③過剰な責任感
「自分がしっかりしなきゃ」 「親を助けなきゃ」
こうした責任感から、年齢以上の役割を引き受けてしまうことがあります。
| きょうだい児の心の声 |
|---|
| 「きょうだいの面倒を見るのは自分の仕事」 |
| 「お母さんが大変そうだから、手伝わなきゃ」 |
| 「自分が頑張れば、家族がうまくいく」 |
④将来への不安
成長するにつれ、将来のことを考え始めるきょうだい児もいます。
| きょうだい児の心の声 |
|---|
| 「親がいなくなったら、自分が面倒を見るの?」 |
| 「結婚するとき、相手にどう説明すればいい?」 |
| 「自分の人生は、ずっときょうだいと一緒?」 |
保護者自身のメンタルケア
きょうだい児のケアを考えるとき、忘れてはならないのが保護者自身のメンタルケアです。
親御さんが抱える負担
発達に特性のあるお子さまを育てる親御さんは、様々な負担を抱えています。
| 負担の種類 | 例 |
|---|---|
| 時間的負担 | 通院、療育、学校対応、書類手続き |
| 身体的負担 | 睡眠不足、送迎の疲労、付き添い |
| 精神的負担 | 将来への不安、周囲の理解不足、孤独感 |
| 経済的負担 | 療育費用、仕事との両立の難しさ |
「自分のことは後回し」になりがち
多くの親御さんが、自分のケアを後回しにしています。
「子どものことで精一杯。自分のことなんて考える余裕がない」 「悩みを話す相手がいない」 「弱音を吐いたら、親失格と思われそう」
でも、親御さんが疲弊してしまったら、家族全体が立ち行かなくなります。
自分を大切にすることは、わがままではありません。家族を守るために必要なことです。
親御さん自身の「相談先」を持つ
子どもの相談先はあっても、親御さん自身の相談先がないケースは多いです。
| 相談先の例 | 特徴 |
|---|---|
| 相談支援事業所 | 福祉サービス全般の相談、家族の困りごとも対応 |
| ペアレントメンター | 同じ経験を持つ先輩保護者による相談 |
| 親の会・家族会 | 同じ立場の親同士のつながり |
| カウンセリング | 専門家による心理的サポート |
相談支援事業所が家族を支える仕組み
相談支援事業所は、放課後等デイサービスなどの福祉サービスを利用するための「入口」として知られています。でも、その役割は「サービス等利用計画を作る」だけではありません。
家族全体の困りごとを受け止め、必要な支援につなげる。
それが、相談支援事業所の本来の役割です。
家族を支える5つの機能
①本人の支援ニーズを整理する
お子さま本人にとって、どんな支援が必要かを一緒に考えます。
| できること |
|---|
| 発達の特性や困りごとの整理 |
| 適切な福祉サービスの提案 |
| サービス等利用計画の作成 |
②きょうだい児の存在に目を向ける
面談の中で、きょうだいの様子についても確認します。
| 確認すること |
|---|
| きょうだいの年齢、学校生活の様子 |
| 家庭内での役割、負担感 |
| きょうだい自身の困りごと |
きょうだい児に直接的な支援が必要な場合は、適切な相談先を紹介します。
③保護者の負担を軽減する
親御さんの負担を把握し、軽減するための方法を一緒に考えます。
| できること |
|---|
| 利用できる福祉サービスの情報提供 |
| レスパイト(一時的な休息)の提案 |
| 家事・育児支援サービスの紹介 |
④家族全体のバランスを見る
「本人にとって最善」だけでなく、「家族全体にとってのバランス」を意識します。
| 視点の例 |
|---|
| 本人の支援を増やすと、きょうだいの時間が減らないか |
| 親御さんの負担が集中していないか |
| 家族それぞれの「居場所」があるか |
⑤長期的に伴走する
相談支援は、一度で終わりではありません。定期的なモニタリングを通じて、家族の状況を継続的に把握します。
| モニタリングで確認すること |
|---|
| 本人の支援は順調か |
| 家族の状況に変化はないか |
| 新たな困りごとは発生していないか |
放課後等デイサービスが家族にもたらす効果
放課後等デイサービスは、本人のためのサービスです。でも、その効果は家族全体に波及します。
本人への効果
| 効果 |
|---|
| 学校でも家庭でもない「第三の居場所」 |
| 社会性やコミュニケーション力の向上 |
| 自己肯定感の育成 |
| 余暇活動の充実 |
きょうだい児への効果
| 効果 |
|---|
| 本人が放デイにいる間、親を独占できる時間ができる |
| きょうだいだけで過ごす習い事や友達との時間が確保できる |
| 「自分も大切にされている」と感じられる |
保護者への効果
| 効果 |
|---|
| 一人の時間、夫婦の時間が確保できる |
| 仕事との両立がしやすくなる |
| 専門家に相談できる安心感 |
| 同じ立場の親御さんとのつながり |
家族全体への効果
| 効果 |
|---|
| 家族それぞれの「自分の時間」が生まれる |
| 本人のことで家庭内の緊張が緩和される |
| 家族で過ごす時間の質が向上する |
「本人を預ける」のではなく、「家族全員のための時間を作る」
そう考えると、放課後等デイサービスの意味が変わってきませんか?
家族全員が笑顔でいるために
「本人のため」だけではなく
発達支援というと、どうしても「本人のため」という視点が中心になります。もちろん、それは大切なことです。
でも、家族全員が笑顔でいられることが、本人にとっても最高の環境なのです。
親御さんがいつも疲れていたら、子どもはそれを感じ取ります。 きょうだいが我慢ばかりしていたら、家庭の空気は重くなります。
家族それぞれが自分の時間を持ち、自分の人生を大切にできる。その上で、お互いを支え合える。
それが、本当の意味での「家族支援」だと、私たちは考えています。
きょうだい児へのメッセージ
もしこの記事を読んでいるきょうだい児がいたら、伝えたいことがあります。
あなたの気持ちは、間違っていません。
「嫌だな」と思うこと、「羨ましいな」と思うこと、「もっとかまってほしい」と思うこと。それは全部、自然な気持ちです。
あなたは「お兄ちゃんだから」「お姉ちゃんだから」である前に、一人の人間です。自分の気持ちを大切にしていいし、誰かに話していいのです。
保護者へのメッセージ
そして、この記事を読んでいる親御さんへ。
あなたは、十分頑張っています。
「もっとこうすれば」「あのときああしていれば」と自分を責めることがあるかもしれません。でも、今こうして情報を集め、子どものことを考えている。それだけで、あなたは素晴らしい親御さんです。
一人で抱え込まないでください。頼れる場所を見つけてください。あなたが倒れたら、誰が家族を支えるのですか。
自分を大切にすることは、家族を大切にすることです。
よくある質問(FAQ)
Q1. きょうだい児の相談も、相談支援事業所でできますか?
A. はい、家族全体の困りごととしてお話しいただけます。きょうだい児自身に支援が必要な場合は、適切な相談先をご紹介します。
Q2. きょうだい児向けのプログラムはありますか?
A. FabriCoでは、きょうだい児専用のプログラムは現在ありませんが、ご家族の状況に応じた相談には対応しています。さいたま市内には、きょうだい児の会や交流イベントを行っている団体もあります。
Q3. 親自身のカウンセリングを受けたいのですが。
A. 相談支援事業所から、カウンセリングを行っている機関をご紹介することができます。また、さいたま市の相談窓口や、発達障害者支援センターでも相談を受け付けています。
Q4. きょうだいも一緒に放デイの見学に連れて行ってもいいですか?
A. はい、大歓迎です。きょうだいが「お兄ちゃん(お姉ちゃん)が通う場所」を知ることで、理解が深まることもあります。
Q5. 夫婦で意見が合わず、家庭内がギクシャクしています。
A. お子さまの発達に関して、ご夫婦で意見が異なることは珍しくありません。相談支援事業所では、ご両親それぞれのお話を聞き、一緒に方向性を考えることもできます。
Q6. 祖父母に理解してもらえず、辛いです。
A. 世代間のギャップで理解を得にくいケースは多いです。必要に応じて、祖父母向けの説明資料をご用意したり、一緒に説明の場を設けたりすることも可能です。ご相談ください。
Q7. 自分の時間なんて持てる余裕がありません。
A. 放課後等デイサービスや日中一時支援などを利用することで、少しずつ「自分の時間」を確保することができます。まずは週1回からでも、試してみませんか。
Q8. きょうだい児が「自分もあそこに通いたい」と言っています。
A. 放課後等デイサービスは、受給者証を持つお子さまが対象です。きょうだい児が利用することは難しいですが、「通いたい」という気持ちの背景を一緒に考えてみましょう。寂しさの表れかもしれません。
FabriCoは、家族全体を見つめます
私たちFabriCo(ファブリコ)は、さいたま市で放課後等デイサービス・児童発達支援・相談支援を運営しています。
本人だけでなく、家族全体を支える。
それが、私たちの支援の根底にある考え方です。
相談支援事業所として
| できること |
|---|
| 本人の支援計画の作成 |
| 家族の困りごとの相談 |
| きょうだい児・保護者の状況確認 |
| 必要な支援機関への橋渡し |
放課後等デイサービスとして
| できること |
|---|
| 本人の発達支援 |
| 家族に「余白の時間」を提供 |
| 保護者同士のつながりづくり |
| 学校・家庭との連携 |
保育所等訪問支援として(2025年11月開始)
| できること |
|---|
| 園・学校での集団生活のサポート |
| 先生への助言・連携 |
| 家庭・学校・放デイをつなぐ |
一人で抱え込まないでください
「家族のことは、家族で解決しなければ」
そう思っていませんか?
でも、頼れる場所があるなら、頼っていいのです。
相談することは、弱さではありません。家族を守るための、賢い選択です。
本人のこと、きょうだいのこと、自分自身のこと。どんなことでも、まずは話してみてください。
FabriCoの相談支援は、そのための場所です。
📞 ご相談・お問い合わせ
FabriCo(ファブリコ)相談支援事業所 さいたま市で、家族全体を支える相談支援を行っています。
「本人のことだけでなく、家族全体のことを相談したい」 「きょうだいのことが気になっている」 「自分自身が疲れている」
どんなご相談でも、お気軽にお問い合わせください。
この記事は2025年2月時点の情報に基づいています。ご紹介した支援機関・サービスの詳細は、直接お問い合わせください。
