はじめに:なぜ相談が大切なのか?
お母さん:最近、息子が学校に行きたがらなくて…。そんな時に「いろどり学園」という選択肢があることを知ったのですが、その前に誰に相談すればいいのかわからないんです。
相談支援専門員:そのお気持ち、とてもよくわかります。実は、いろどり学園への転入学を検討される前に、まず専門家にご相談いただくことがとても大切なんです。今日は、さいたま市で不登校のお子さんを持つ保護者の方に向けて、どこに相談すれば良いのか、詳しくお話しさせていただきますね。
さいたま市の不登校支援の現状
いろどり学園とは何か?
お母さん:まず、いろどり学園について詳しく教えてください。
相談支援専門員:いろどり学園小学部・中学部は、さまざまな理由で在籍校に登校できなかった児童生徒一人ひとりに寄り添った多様な支援をする「学びの多様化学校」として、2025年4月に開校予定のさいたま市立学校です。スクールビジョンは「自分らしさを輝かせ、未来の自分を描ける学校」なんですよ。
お母さん:素晴らしい理念ですね。どんな特色があるのでしょうか?
相談支援専門員:3つの大きな特色があります。1つ目は「いつでもどこでも学びにアクセス」できること、2つ目は自分らしく学べる教科「未来工房」の設定、3つ目は安心できる居場所の提供です。市内6か所のキャンパスがあり、浦和・与野・さいたま新都心・大宮エリアからもアクセスしやすい立地になっています。
対象となる児童生徒について
お母さん:うちの子も対象になるのでしょうか?
相談支援専門員:対象は、原則学校を年間30日以上欠席している、もしくは、していた児童生徒です。ただし、これは単純な日数だけの問題ではありません。何らかの心理的、情緒的、身体的、社会的要因などの背景により登校しないあるいは登校したくてもできない状況にあるお子さんが対象となります。
なぜ専門家への相談が重要なのか?
制度の複雑さを理解する
お母さん:申し込み方法も複雑そうですね…。
相談支援専門員:おっしゃる通りです。募集期間は令和7年8月1日~8月29日と限定されており、申込み状況によっては抽選となる可能性もあります。また、転入学決定通知は令和8年1月上旬予定となっていて、手続きには時間がかかります。
このような制度を一人で理解するのは大変ですし、お子さんにとって本当に最適な選択肢なのかを判断するには、専門家の視点が必要不可欠です。
多角的な支援の検討
お母さん:いろどり学園以外にも選択肢があるということですか?
相談支援専門員:はい。実は不登校支援には様々な選択肢があります。たとえば、放課後等デイサービスや児童発達支援、教育支援センター、フリースクールなど、お子さんの状況に応じて組み合わせて利用できるサービスがたくさんあるんです。
私たちのような相談支援事業所では、お子さんの状況を総合的に判断して、最適な支援プランを一緒に考えていきます。
さいたま市で利用できる相談窓口
1. さいたま市教育委員会総合教育相談室
お母さん:まず、どこに相談すれば良いのでしょうか?
相談支援専門員:さいたま市教育委員会事務局総合教育相談室(不登校等児童生徒支援係)があります。TEL:048-688-1453(平日9:00~17:00)で相談できます。ここはいろどり学園の申し込みに関する公式窓口でもあります。
2. 障害児相談支援事業所
お母さん:障害児相談支援って何ですか?うちの子に関係あるのでしょうか?
相談支援専門員:障害児相談支援事業所は、お子さまの成長や発達に不安があるとき、どんな支援を受けられるのか、どこに相談したらいいのか迷った時の専門機関です。不登校の背景には、発達の特性や感覚の過敏さなど、様々な要因が関わっていることも多いのです。
お母さん:具体的にはどんな時に相談できるのですか?
相談支援専門員:「発達が気になり、何か支援を受けたほうがいいのか知りたい」「放課後等デイサービスや児童発達支援を使いたい」「今の支援でいいのか、見直したい」「将来のことも含めて相談したい」といった時に相談できます。
FabriCoの相談支援事業所について
Un-School計画相談支援の理念
お母さん:FabriCoさんの相談支援事業所について教えてください。
相談支援専門員:私たちFabriCoでは、「学校以外の選択肢を作る」「子どもを中心に置いて居場所を作っていくこと」「学校でできない学びの選択肢を広げていこう」「学校っぽさを問い直す(=Un-School)」という理念で活動しています。
私たちがプログラミング教育を始めたのは2011年で、当時はまだプログラミング教育という言葉もなく、学ぶ場所もほとんどありませんでした。つまり、新しい教育の可能性を切り拓く経験を長年積み重ねてきたのです。
提供サービスの詳細
お母さん:どんなサービスを受けられるのでしょうか?
相談支援専門員:主に3つのサービスを提供しています。
1つ目は「サービス等利用計画の作成」です。障害福祉サービスを利用するには「サービス等利用計画」というプランの提出が必要で、相談支援専門員が、お子さまの状況やご家庭の希望を伺いながら、一緒に作成します。
2つ目は「モニタリング(定期的な振り返り)」で、サービス利用開始後も、半年に一度などのタイミングで、ご家庭や事業所と連携しながら「この支援で合っているか」を見直していきます。
3つ目は「申請・手続きのサポート」で、市区町村への申請書類の準備や流れについても丁寧にサポートします。
FabriCoならではの強み
お母さん:他の相談支援事業所との違いは何ですか?
相談支援専門員:私たちは放課後等デイサービス・児童発達支援施設「FabriCo(ファブリコ)」も運営しており、ものづくり(Fabrication)をテーマにした療育を実際に行っています。つまり、相談だけでなく、実際の支援現場も熟知しているということです。
また、さいたま新都心・浦和・与野・大宮エリアという立地で、地域の教育資源についても詳しく把握しています。
相談の流れとタイミング
いろどり学園申し込み前の相談スケジュール
お母さん:いつ頃から相談を始めれば良いのでしょうか?
相談支援専門員:いろどり学園のプレ開校が令和7年7月22日~8月8日で、申し込みが8月1日~8月29日ですので、遅くとも6月頃からは相談を始めることをお勧めします。
早めに相談いただくことで、お子さんの状況を詳しく把握し、いろどり学園が本当に適しているのか、他にどんな選択肢があるのかを十分に検討できます。
プレ開校の活用方法
お母さん:プレ開校って参加した方が良いのですか?
相談支援専門員:ぜひ参加をお勧めします。プレ開校では登校による体験(各キャンパスに登校し、授業等を体験)とオンラインによる体験(自宅からオンラインで授業等を体験)の両方が可能です。
お子さんの反応や適応状況を実際に確認できる貴重な機会です。私たち相談支援専門員も、その体験をもとにより具体的なアドバイスができるようになります。
よくある質問と回答
学習面について
お母さん:学力面での不安があります。
相談支援専門員:いろどり学園の授業時間数は通常の学校の7割程度になっていますが、授業内容については、通常の学校で学習するものと同じ内容を網羅していきます。また、過去の学習内容に戻って学習したり、自分の興味関心がある学習をさらに深めたりするために、「未来工房」の時間を活用することができます。
つまり、お子さんのペースに合わせて学習を進めることができるのです。
進路について
お母さん:高校進学への影響はありますか?
相談支援専門員:基本的には「出席」も「出席扱い」も指導要録上は「出席」となります。一部の私立高校では「出席扱い」について、調査書の備考欄に記載を求められる場合がありますが、進学への道筋はきちんと確保されています。
他のサービスとの併用
お母さん:フリースクールと併用はできるのでしょうか?
相談支援専門員:他のさいたま市立学校と同様、フリースクールや通級指導教室との併用は可能です。お子さんの状況に応じて、最適な組み合わせを一緒に考えていきましょう。
相談支援の具体的なメリット
制度の複雑さを専門家に任せられる
お母さん:手続きが複雑で不安です…。
相談支援専門員:「制度のわかりにくさ」をプロに任せられることが大きなメリットです。難しい申請や書類作成も、専門スタッフが一緒に対応します。保護者の方が一人で悩む必要はありません。
客観的な視点での支援の見直し
相談支援専門員:「今の支援」が本当に合っているかを客観的に見直せることも重要です。お子さんの成長とともに支援ニーズも変化します。定期的に専門家の目で見直すことで、常に最適な支援を受けることができます。
家庭の悩みを安心して話せる相談相手
お母さん:誰にも相談できずに一人で悩んでいました…。
相談支援専門員:家庭の悩みを安心して話せる「外部の相談相手」ができることも大切なメリットです。学校の先生や親族には話しにくいことも、専門の相談支援専門員になら安心してお話しいただけます。
まとめ:まず相談から始めよう
いろどり学園検討前に相談すべき理由
お母さん:今日は本当にありがとうございました。相談の大切さがよくわかりました。
相談支援専門員:いろどり学園は素晴らしい選択肢の一つですが、お子さんにとって本当に最適なのかは個別に判断する必要があります。まず相談していただくことで、以下のメリットがあります:
- お子さんの状況を専門的に分析できる
- いろどり学園以外の選択肢も含めて検討できる
- 申し込み手続きをサポートしてもらえる
- 長期的な支援計画を立てることができる
さいたま市エリアでの相談先
さいたま市浦和・与野・さいたま新都心・大宮エリアで不登校にお悩みの保護者の方へ
まずは専門家にご相談ください。FabriCoの障害児相談支援事業所では、毎週月曜日10時~17時、さいたま市浦和区上木崎1-7-1近代模型ビル2・3階で相談を受け付けています。JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分とアクセスも良好です。
次のステップ
お母さん:さっそく相談予約を取りたいと思います!
相談支援専門員:ありがとうございます。お子さんの明るい未来に向けて、一緒に最適な道筋を見つけていきましょう。いろどり学園が適している場合は申し込みサポートもいたしますし、他にもお子さんに合った支援方法がある場合は、そちらもご提案いたします。
お問い合わせ・ご相談はこちら
FabriCo 障害児相談支援事業所
- 住所: さいたま市浦和区上木崎1-7-1 近代模型ビル2・3階
- 営業日: 毎週月曜日 10:00-17:00
- アクセス: JR与野駅徒歩7分、さいたま新都心駅徒歩8分
施設見学・相談予約 FabriCo 公式サイト 相談支援について詳しく見る
不登校のお悩みは一人で抱え込まず、まずは専門家にご相談ください。お子さんの「自分らしさ」を大切にしながら、最適な支援を一緒に見つけていきましょう。