目次
- 支援級は具体的に何をしてくれるの?
- 通常級との違いを比較
- 支援級のメリット・通常級のメリット
- どちらを選ぶべき?判断のポイント
- さいたま市浦和区・大宮区の支援体制
- 支援級と通常級をつなぐサポート
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:お子さまにとってベストな選択を
支援級は具体的に何をしてくれるの?
「支援級って、具体的に何をしてくれるんだろう?」「通常級とどう違うの?」お子さまの就学を考える保護者の方から、よく聞かれる質問です。
支援級(特別支援学級)は、単に「勉強が遅れている子どもが通う場所」ではありません。お子さま一人ひとりの特性に合わせて、きめ細かなサポートを提供する学びの場です。
支援級で受けられる具体的な支援
1. 少人数での丁寧な指導
支援級は1学級あたり8人以下の少人数制です。通常学級が30〜40人なのに比べて、圧倒的に一人ひとりに目が届きやすい環境です。
- 先生がお子さまの様子をしっかり観察できる
- わからないところをすぐに質問できる
- お子さまのペースに合わせて進められる
- 一人ひとりの得意・苦手を把握した指導
2. 個別支援計画に基づいた教育
お子さまの特性や困りごとを詳しく把握した上で、「個別支援計画」を作成します。これは、お子さま専用の学習・成長プランのようなものです。
- 具体的な目標を設定(例:「自分の気持ちを言葉で伝えられるようになる」)
- お子さまに合った支援方法を明確化
- 定期的に見直し、成長に合わせて更新
- 保護者との面談で共有
3. ソーシャルスキルトレーニング(SST)
学力だけでなく、社会性やコミュニケーション能力を育てる活動も行います。
- 友達との関わり方を学ぶ
- 順番を待つ、貸し借りするなどのルールを理解する
- 自分の気持ちを適切に表現する練習
- 困ったときに助けを求める方法を身につける
4. 感覚統合や身体づくり
発達に特性があるお子さまの中には、感覚が敏感だったり、体の使い方が不器用だったりする場合があります。支援級では、こうした面もサポートします。
- 体を動かす活動(粗大運動)
- 手先を使う活動(微細運動)
- 感覚過敏への配慮
- 姿勢を保つ練習
5. 自立活動
将来の自立に向けて、日常生活に必要なスキルを学びます。
- 身の回りのことを自分でする(着替え、整理整頓など)
- 時間の管理(スケジュールを見る、時計を読むなど)
- お金の使い方
- 公共交通機関の利用
6. 交流及び共同学習
支援級は「閉ざされた場所」ではありません。通常学級の友達と一緒に活動する時間もあります。
- 音楽、体育、図工などの授業を通常学級で受ける
- 給食や休み時間を一緒に過ごす
- 学校行事に一緒に参加する
- お子さまの状況に応じて、徐々に通常学級での時間を増やせる
7. 視覚支援や構造化
言葉だけの指示が理解しにくいお子さまのために、視覚的にわかりやすい工夫をします。
- スケジュールを絵や写真で示す
- 活動の手順を図で説明する
- 教室内の配置を整理整頓し、わかりやすくする
- 集中しやすい環境づくり
8. 保護者との密な連携
支援級では、保護者との連携を特に大切にしています。
- 定期的な面談
- 連絡帳でのやり取り
- 家庭での様子と学校での様子の共有
- 困りごとへの相談
通常級との違いを比較
支援級と通常級の違いを、わかりやすく表で比較してみましょう。
| 項目 | 支援級 | 通常級 | 
|---|---|---|
| 学級の人数 | 8人以下 | 30〜40人 | 
| 教員の配置 | 少人数に対して複数の教員 | 1学級に1人の担任 | 
| 学習の進め方 | 個別のペースに合わせる | 学年の標準に合わせる | 
| 教科書 | 通常の教科書、または個別に選定 | 学年の検定教科書 | 
| 個別支援計画 | あり(お子さま専用) | なし(全員同じカリキュラム) | 
| ソーシャルスキル指導 | カリキュラムに組み込まれている | 学級活動の中で自然に学ぶ | 
| 交流の機会 | 通常学級との交流がある | クラス内での交流が中心 | 
| 環境の配慮 | 感覚過敏などへの配慮が手厚い | 一般的な環境 | 
| 将来の進路 | 高校進学や就労支援も視野に入れた指導 | 主に高校進学を前提とした指導 | 
どちらが「上」というわけではない
この比較を見て、「通常級の方が普通で良い」と思う必要はありません。大切なのは、お子さまにとってどちらが安心して学べる環境かです。
通常級が向いているお子さまもいれば、支援級でこそ力を発揮できるお子さまもいます。「どちらが良い」ではなく、「どちらがお子さまに合っているか」という視点で考えましょう。
支援級のメリット・通常級のメリット
支援級のメリット
1. 自己肯定感が育ちやすい
少人数で、お子さまのペースに合わせた指導が受けられるため、「できた!」という成功体験を積み重ねやすくなります。これが自信につながります。
2. 苦手なことへの適切なサポート
苦手なことを無理に頑張らせるのではなく、どうすればできるようになるか、どんな工夫があるかを一緒に考えてもらえます。
3. 二次障害の予防
通常級でついていけず、叱られることが多いと、自信を失ったり、不登校になったりすることがあります(二次障害)。支援級では、そのリスクを減らせます。
4. 専門的な知識を持つ先生
特別支援教育の研修を受けた経験豊富な先生が、お子さまの特性を理解して指導してくれます。
通常級のメリット
1. 多様な友達との交流
30〜40人のクラスメイトと過ごすことで、様々な個性と触れ合い、社会性を学べます。
2. 学年の標準的な学習内容
学年相応の学習内容を、クラス全体と同じペースで学べます。将来の選択肢も広がりやすいです。
3. 地域の友達との絆
学区の子どもたちと同じクラスで過ごすことで、放課後や休日も一緒に遊べる友達ができやすいです。
4. 自分で解決する力
大人数の中で、自分で考え、行動する力が自然と育ちます。
どちらも素晴らしい学びの場
支援級も通常級も、それぞれに良さがあります。大切なのは、お子さまが「安心して過ごせる」「成長できる」と感じられる場所を選ぶことです。
どちらを選ぶべき?判断のポイント
「うちの子は、支援級と通常級、どちらが向いているんだろう?」迷っている保護者の方へ、判断のポイントをお伝えします。
支援級が向いているかもしれないお子さま
- 大人数の中では不安や緊張が強い
- 学習のペースが周りと異なる
- 指示を聞き取ったり、理解したりすることに時間がかかる
- 感覚が敏感で、通常級の環境がつらい
- 友達との関わり方がわからず、トラブルになりやすい
- 通常級で自信を失っている
通常級が向いているかもしれないお子さま
- 学年相応の学習内容についていける
- 大人数の中でも落ち着いて過ごせる
- 友達との関わりを楽しめる
- 先生の指示を聞いて行動できる
- 困ったときに自分から助けを求められる
迷ったら、こうしてみよう
1. 就学相談を受ける
教育委員会の就学相談では、専門家がお子さまの様子を見て、アドバイスをくれます。さいたま市では、浦和区、大宮区など各区で相談できます。
2. 両方を見学する
実際に支援級と通常級の授業を見学してみましょう。お子さまがどちらでリラックスしているか、観察することが大切です。
3. 幼稚園・保育園の先生に聞く
日頃からお子さまを見ている先生の意見は貴重です。集団生活での様子を教えてもらいましょう。
4. 「今」だけでなく「将来」も考える
小学校6年間、中学校3年間を見据えて考えましょう。最初は支援級で基礎を固めて、後から通常級に移行するという選択肢もあります。
5. お子さま本人の気持ち
可能であれば、お子さま本人の気持ちも聞いてみましょう。「どっちが安心できそう?」と優しく聞いてみてください。
さいたま市浦和区・大宮区の支援体制
さいたま市では、支援級も通常級も、質の高い教育が受けられます。
浦和区の教育環境
浦和区は文教地区として知られ、教育への意識が高い地域です。常盤小学校、本太小学校、高砂小学校、仲町小学校など、どの学校でも支援級の教育が充実しています。支援級と通常級の交流も活発で、お子さまの成長に合わせた柔軟な対応が可能です。
大宮区の教育環境
大宮区も教育熱心な地域です。桜木小学校、大宮北小学校、大成小学校など、各校で専門的な支援が行われています。大宮駅周辺は交通の便が良く、療育施設や医療機関も充実しているため、学校以外のサポートも受けやすい環境です。
近隣エリアの状況
南区、中央区、見沼区など、さいたま市全域で支援体制が整っています。どの地域に住んでいても、お子さまに合った教育を受けることができます。
支援級と通常級をつなぐサポート
学校での学びを、さらに充実させる地域の資源をご紹介します。
放課後等デイサービス・児童発達支援
学校が終わった後や休日に、お子さまの力を育てる場所です。支援級に通っているお子さまも、通常級に通っているお子さまも利用できます。
さいたま市浦和区上木崎にあるFabriCo(ファブリコ)は、放課後等デイサービスと児童発達支援の両方を提供する施設です。JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分の好立地で、浦和区や大宮区からもアクセスしやすい場所にあります。
FabriCoの特徴:ものづくりで育つ力
ロボット・プログラミングで論理的思考を育てる
FabriCoでは、ロボット製作やプログラミングといったSTEM教育を取り入れています。これは、支援級でも通常級でも役立つ力を育てます。
- 論理的に考える力:「こうしたら、こうなる」という因果関係を理解する
- 問題解決能力:うまくいかないときに、どう工夫するかを考える
- 達成感と自己肯定感:「できた!」という成功体験が自信につながる
工作・ものづくりで創造力を育てる
プログラミングだけでなく、工作や裁縫などのアナログなものづくりも大切にしています。
- 手先の器用さ
- 想像力・創造力
- 最後までやり遂げる力
- 自分のアイデアを形にする喜び
個別〜小集団の柔軟な療育
お子さま一人ひとりの特性に合わせて、個別から小集団まで、柔軟に対応します。通常級で疲れているお子さまには、落ち着いた環境を。支援級でもっと友達と関わりたいお子さまには、小集団活動を。
対話を通じた学び
FabriCoでは、ものづくりを通じた対話を大切にしています。作品について話すことで、コミュニケーション力が育ちます。これは、支援級でも通常級でも、学校生活に欠かせない力です。
2025年11月開始:保育所等訪問支援
FabriCoでは、2025年11月から「保育所等訪問支援」という新しいサービスを開始します。
学校生活をサポート
専門スタッフが、お子さまが通っている学校(支援級でも通常級でも)に訪問し、現場でのサポートを行います。
こんな場面で役立ちます
- 「支援級でうまくやっているか心配」
- 「通常級に入れたけれど、ついていけているか不安」
- 「支援級から通常級への移行を考えている」
- 「学校の先生と、もっと連携を深めたい」
訪問支援でできること
- お子さまの学校での様子を観察し、必要な支援を検討
- 担任の先生に、お子さまの特性に合わせた関わり方をアドバイス
- コミュニケーションのサポート
- 家庭、療育施設、学校の一貫した支援を実現
重要なポイント
訪問支援では、ロボットやプログラミングの指導をするわけではありません。お子さまが学校生活の中で安心して過ごせるよう、コミュニケーションのサポート、先生や保護者の方との相談、支援方法の検討を行います。
相談支援事業所で全体をコーディネート
FabriCoには、障害児相談支援事業所「Un-School 計画 相談支援」が併設されています(同じ建物内)。
- 「支援級と通常級、どちらを選ぶべきか迷っている」
- 「今の環境が合っているか見直したい」
- 「将来に向けて、どんな準備をすればいいか知りたい」
こうした悩みに、相談支援専門員が寄り添います。サービス等利用計画の作成やモニタリングを通じて、お子さまの成長を長期的に支えます。相談は無料です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 支援級に入ると、勉強が遅れますか?
A. 「遅れる」という考え方は正確ではありません。支援級では、お子さまのペースに合わせて、確実に理解しながら進みます。通常級で理解できないまま先に進むよりも、支援級でしっかり基礎を身につける方が、結果的に学力が伸びることも多いです。
Q2. 支援級から通常級に移ることはできますか?
A. はい、可能です。支援級で力をつけたお子さまが、通常級に移行するケースは珍しくありません。交流及び共同学習で徐々に通常級での時間を増やし、スムーズに移行できます。
Q3. 通常級に入れたけれど、つらそうです。今から支援級に変更できますか?
A. はい、変更できます。お子さまが無理をして頑張り続けると、心身に負担がかかります。学校や教育委員会に相談して、支援級への移行を検討しましょう。早めの対応が、お子さまを守ることにつながります。
Q4. 支援級に通っていると、いじめられませんか?
A. 支援級に対する理解は、以前に比べて大きく進んでいます。多くの学校で、「みんな違って、みんな良い」という教育が行われています。また、交流及び共同学習を通じて、通常級の子どもたちと自然な関わりができるため、心配しすぎる必要はありません。
Q5. 通常級に通級指導教室を利用するのと、支援級に入るのと、どちらが良いですか?
A. 困りごとの程度によります。週に数時間の支援で十分なら通級指導教室、もっと手厚い支援が必要なら支援級が向いています。教育委員会の就学相談で、専門家に相談することをおすすめします。
Q6. 支援級に入ると、将来の進路が限られますか?
A. そんなことはありません。支援級から高校に進学し、大学や専門学校に進む人もいます。大切なのは、お子さまが安心して学べる環境で力をつけることです。それが、将来の選択肢を広げることにつながります。
Q7. 親が共働きです。支援級と放課後等デイサービスの両方は利用できますか?
A. はい、両方利用できます。むしろ、学校と放課後等デイサービスが連携することで、より一貫した支援が可能になります。FabriCoでは、学校での様子も共有しながら、お子さまをサポートします。
Q8. 支援級の先生は、どのくらい経験がありますか?
A. さいたま市の支援級では、特別支援教育の研修を受けた経験豊富な先生が担当しています。また、若手の先生も、ベテラン教員のサポートを受けながら指導にあたっています。
Q9. 兄弟が通常級に通っています。下の子だけ支援級にすることに抵抗があります。
A. お気持ちはよくわかります。しかし、兄弟であっても、一人ひとりに合った環境を選ぶことが大切です。通常級で苦労するよりも、支援級で自信をつける方が、お子さまの将来にとって良い選択になることもあります。
Q10. 浦和区や大宮区以外からでも、FabriCoは利用できますか?
A. はい、さいたま市内であれば、どの区からでもご利用いただけます。FabriCoは浦和区上木崎1-7-1にあり、JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分です。浦和区、大宮区はもちろん、南区、中央区、見沼区など、市内全域からアクセスしやすい立地です。
Q11. 支援級に通いながら、通常級の友達と遊ぶことはできますか?
A. はい、できます。交流及び共同学習の時間や、休み時間、放課後など、通常級の友達と過ごす機会はたくさんあります。また、放課後等デイサービスなど、学校以外の場所で友達を作ることもできます。
Q12. ロボットやプログラミングは、支援が必要な子どもでもできますか?
A. はい、もちろんです。FabriCoでは、お子さま一人ひとりの特性に合わせて、ロボットやプログラミングに取り組んでいます。難しそうに見えても、楽しみながら少しずつ学べるようサポートします。「できた!」という達成感が、大きな自信につながります。
Q13. 保育所等訪問支援は、通常級に通っている子も利用できますか?
A. はい、利用できます。通常級に通っているけれど、学校生活で困りごとがあるお子さまも、訪問支援のサポートを受けられます。先生と連携しながら、お子さまが安心して過ごせるようサポートします。
Q14. 相談支援事業所に相談するタイミングは?
A. 「支援級か通常級か迷っている」という段階から相談できます。就学前、就学後、いつでもお気軽にご相談ください。相談は無料です。
Q15. 支援級と通常級、どちらが子どもにとって幸せですか?
A. どちらが幸せかは、お子さまによって異なります。大切なのは、お子さまが「安心して過ごせる」「自分らしくいられる」「成長できる」と感じられる環境を選ぶことです。周りの目や世間体ではなく、お子さまの笑顔を一番に考えてください。
まとめ:お子さまにとってベストな選択を
支援級は、ただ「特別な支援をする場所」ではありません。お子さま一人ひとりの特性に寄り添い、きめ細かなサポートを提供する、大切な学びの場です。
一方で、通常級にも素晴らしい学びがあります。大人数の中で多様な個性と触れ合い、社会性を育てることができます。
どちらが良いかではなく、お子さまに合っているか
- 支援級で丁寧に学ぶ子もいる
- 通常級で力を発揮する子もいる
- 最初は支援級で、後から通常級に移る子もいる
- 通常級で頑張って、必要なときだけ支援を受ける子もいる
お子さまの笑顔が、正解です。
さいたま市浦和区・大宮区をはじめ、市内全域で質の高い教育と支援体制が整っています。放課後等デイサービス、児童発達支援、保育所等訪問支援、相談支援事業所など、学校生活を支える資源も充実しています。
一人で悩まず、ぜひ専門家に相談してみてください。お子さまにとってベストな選択が、きっと見つかります。
お問い合わせ・ご相談
FabriCo(ファブリコ)
放課後等デイサービス・児童発達支援
住所:さいたま市浦和区上木崎1-7-1
アクセス:JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分
施設の詳細はこちら
こども相談支援 Un-School 計画 相談支援
障害児相談支援事業所(FabriCoと同じ建物内)
住所:さいたま市浦和区上木崎1-7-1
営業日:毎週月曜日 10時〜17時
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保育所等訪問支援(2025年11月開始予定)
学校や園での集団生活をサポートします
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