目次
- 支援級とは?基本を知ろう
- 支援級の決め方:5つのステップ
- さいたま市の支援級の種類と特徴
- 相談先はどこ?専門家に聞くタイミング
- 学校生活を支える新しい選択肢
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:お子さまに合った選択を
支援級とは?基本を知ろう
お子さまの小学校入学を控えて、「支援級」という言葉を耳にして、どのように決めたらいいのか悩んでいませんか?支援級(特別支援学級)は、お子さまの特性に合わせた少人数での学びの場です。決して「特別」なことではなく、お子さまが安心して学び、成長するための大切な選択肢のひとつです。
さいたま市では、すべての市立小・中学校(浦和中学校を除く)に「知的障害特別支援学級」と「自閉症・情緒障害特別支援学級」を設置しています。南区、浦和区、大宮区、中央区など、どの地域でも近くの小学校に支援級があるため、お子さまの学区内で安心して通うことができます。
支援級の特徴
- 少人数制:一人ひとりに目が届く環境で学べます
- 個別支援計画:お子さまの特性に合わせた支援が受けられます
- 交流及び共同学習:通常学級の友達と一緒に活動する時間もあります
- 専門的な指導:特別支援教育の経験豊富な先生が担当します
支援級の決め方:5つのステップ
支援級を選ぶかどうかは、お子さまの将来を見据えた大切な決断です。焦らず、じっくりと検討していきましょう。
ステップ1:お子さまの様子を観察する
まずは、日常生活や集団活動の中で、お子さまがどんな場面で困っているか、どんな支援があれば安心できるかを観察しましょう。
- 集団の中で指示を聞き取ることが難しい
- お友達とのコミュニケーションに不安がある
- 学習のペースが周りと異なる
- 感覚の敏感さがある(音や光、触感など)
これらは、支援級が力になれる場面です。
ステップ2:幼稚園・保育園の先生に相談する
現在通っている園の先生は、お子さまの集団生活の様子をよく知っています。就学に向けた相談をしてみましょう。園での様子を客観的に教えてもらうことで、必要な支援が見えてきます。
ステップ3:専門機関に相談する
さいたま市では、教育委員会の教育相談窓口や、発達支援センターなどで就学相談を受け付けています。南区、浦和区、大宮区、中央区など、各区の保健センターでも相談できます。
専門家の意見を聞くことで、お子さまに本当に必要な支援が何かが明確になります。また、相談支援事業所では、福祉サービス全体を見据えた相談も可能です。
ステップ4:学校見学に行く
実際に支援級を見学することが大切です。学区の小学校に連絡を取り、見学をお願いしましょう。教室の雰囲気、先生の様子、どんな活動をしているかを見ることで、イメージが具体的になります。
さいたま市内の小学校では、どの学校でも見学を受け付けています。別所、常盤、本太、高砂、大宮など、人気のある学区の学校も含めて、実際の様子を確認できます。
ステップ5:就学相談を受ける
教育委員会の就学相談では、専門家がお子さまの発達検査や面談を行い、適切な就学先を一緒に考えてくれます。この相談は、決して「支援級に行かせられる」ためのものではありません。お子さまにとって最適な学びの場を一緒に探すためのものです。
さいたま市の支援級の種類と特徴
さいたま市では、お子さまの特性に合わせて複数の種類の支援級があります。
知的障害特別支援学級
知的発達に遅れがあるお子さまが、ゆっくりとしたペースで学べる学級です。生活に必要なスキルや社会性を育てることに重点を置いています。
自閉症・情緒障害特別支援学級
自閉症スペクトラムや情緒面での困難があるお子さまのための学級です。コミュニケーションや社会性のスキルを、構造化された環境の中で身につけていきます。
弱視特別支援学級
視覚に障害があるお子さまのための学級で、仲本小学校に設置されています(市内で唯一)。
相談先はどこ?専門家に聞くタイミング
支援級を検討する際、どこに相談すればいいか迷うことがあるかもしれません。相談先は一つではなく、複数の選択肢があります。
さいたま市教育委員会の教育相談
就学に関する相談の窓口です。お子さまの発達や学習について、専門家に相談できます。
各区の保健センター
南区、浦和区、大宮区、中央区など、各区の保健センターでは、乳幼児期からの発達相談を受け付けています。
相談支援事業所の活用
福祉サービスを利用する際に、全体的な支援計画を一緒に考えてくれる専門機関です。市内にも複数の相談支援事業所があり、お子さまの成長を長期的に見据えた相談ができます。
相談支援専門員が、保護者の方の不安に寄り添いながら、放課後等デイサービスや児童発達支援、保育所等訪問支援など、必要なサービスの利用計画を作成します。「今の支援で本当にいいのか」「将来に向けてどんな準備をすればいいのか」といった悩みも、気軽に相談できる場所です。
医療機関
発達の専門医がいる病院やクリニックでは、診断や医学的な助言を受けられます。
学校生活を支える新しい選択肢
支援級の検討と合わせて知っておきたいのが、学校生活をサポートする福祉サービスです。さいたま市南区別所にあるFabriCo(ファブリコ)は、放課後等デイサービスと児童発達支援の両方を行う施設で、お子さまの成長を多角的にサポートしています。
ものづくりを通じた療育
FabriCoでは、ロボット製作やプログラミングといった最新のSTEM教育を取り入れながら、工作や裁縫などのアナログなものづくりも大切にしています。モノを作る過程で、お子さまは自分自身について考え、他者への関心を広げ、社会とのつながりを実感していきます。
こうした活動は、支援級での学びとも相性がよく、お子さまの得意を伸ばし、自信を育てる場となります。学校とは違う環境で、お子さまの新しい一面を発見できることも少なくありません。
個別〜小集団での療育
一人ひとりの特性に合わせて、個別から小集団まで、柔軟に療育の形を選べます。集団が苦手なお子さまも、まずは安心できる環境から始めることができます。
対話を大切にした学び
FabriCoでは、ものづくりを通じた対話的な学びを重視しています。サークル対話や振り返り活動を通じて、自分の考えを言葉にする力や、他者の意見を聞く姿勢を育てます。
2025年11月開始:保育所等訪問支援
さらに、2025年11月からは「保育所等訪問支援」というサービスが始まります。これは、お子さまが実際に通っている幼稚園、保育園、小学校に専門スタッフが訪問し、現場でのサポートを行うサービスです。
保育所等訪問支援の特徴
- 現場でのきめ細かな支援:お子さまが実際に過ごす場所で、困りごとに直接対応します
- 一貫した支援の実現:家庭、施設、学校が連携し、同じ方向を向いた支援ができます
- 先生へのアドバイス:担任の先生や園の先生に、お子さまの特性に応じた関わり方をお伝えします
- コミュニケーションのサポート:友達との関わりや集団活動でのサポートを行います
訪問支援では、ロボットやプログラミングの指導をするわけではありません。お子さまが集団生活の中で安心して過ごせるよう、コミュニケーションのサポートや、先生・保護者の方との相談、支援方法の検討を行います。
「家では落ち着いているのに、学校ではうまくいかない」「園の先生からも相談されているけれど、どう対応したらいいかわからない」といった悩みに、第三者の専門的な視点から一緒に考えていきます。
相談支援事業所Un-Schoolも併設
FabriCoには、障害児相談支援事業所「Un-School 計画 相談支援」が併設されています(所在地:さいたま市浦和区上木崎1-7-1)。
- サービス等利用計画の作成
- 定期的なモニタリング
- 申請・手続きのサポート
相談支援専門員が、お子さまの状況やご家庭の希望を伺いながら、福祉サービス全体の利用計画を一緒に作成します。「制度がわかりにくい」「何から始めればいいかわからない」という方も、安心してご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 支援級に入ると、通常学級には戻れないのですか?
A. いいえ、そんなことはありません。お子さまの成長や状況に応じて、通常学級への移行も可能です。また、支援級に在籍しながら、一部の授業は通常学級で受ける「交流及び共同学習」という形もあります。お子さまの様子を見ながら、柔軟に対応できます。
Q2. 支援級を選ぶと、将来の進路に影響はありますか?
A. 支援級での学びは、お子さまの特性に合った環境で基礎学力と生活スキルを身につけることが目的です。高校進学や就労に向けた準備も、しっかりとサポートされます。大切なのは、お子さまが安心して学べる環境で、自信を育てることです。
Q3. さいたま市内のどの学校に支援級はありますか?
A. さいたま市では、すべての市立小・中学校(浦和中学校を除く)に支援級が設置されています。南区、浦和区、大宮区、中央区など、お住まいの地域の学校で支援を受けることができます。ただし、年度当初に児童生徒が在籍していない場合は設置されないこともありますので、事前に確認することをおすすめします。
Q4. 支援級と通級指導教室の違いは何ですか?
A. 支援級は、ほとんどの授業を少人数の学級で受ける形です。一方、通級指導教室は、通常学級に在籍しながら、週に数時間だけ別室で個別指導を受ける形です。お子さまの困り具合に応じて、どちらが適しているか相談しながら決めていきます。
Q5. 支援級の先生は、どんな人ですか?
A. 特別支援教育の専門的な知識や経験を持った先生が担当します。お子さま一人ひとりの特性を理解し、個別支援計画に基づいて丁寧に指導してくれます。
Q6. 就学相談はいつから始めればいいですか?
A. 年中(4歳児)の秋頃から動き始める方が多いです。余裕を持って相談することで、お子さまや家族が納得できる選択ができます。遅くとも、就学前年の春頃までには相談を開始するとよいでしょう。
Q7. 相談するときに、何を準備すればいいですか?
A. 特別な準備は必要ありません。普段のお子さまの様子や、困っていること、気になることを整理しておくと、相談がスムーズです。園での様子がわかる連絡帳や、発達検査の結果などがあれば持参するとよいでしょう。
Q8. 放課後等デイサービスと支援級は、どう違うのですか?
A. 支援級は学校での学びの場で、放課後等デイサービスは学校が終わった後や休日に通う療育の場です。両方を併用することで、お子さまの成長をより多角的にサポートできます。放課後等デイサービスでは、学校では体験できない活動(ロボット作りやプログラミングなど)を通じて、お子さまの興味や得意を伸ばすことができます。
Q9. 浦和区や大宮区など、他の区に住んでいても利用できますか?
A. 放課後等デイサービスや児童発達支援は、さいたま市内であれば、お住まいの区に関わらず利用できます。FabriCoは南区別所にありますが、浦和区、大宮区、中央区など、近隣地域からも通っていただけます。相談支援事業所は浦和区上木崎1-7-1にあり、JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分とアクセスも便利です。
Q10. 保育所等訪問支援は、どんな施設に訪問してもらえますか?
A. 保育園、幼稚園、認定こども園、小学校(通常学級・特別支援学級)、放課後児童クラブなど、お子さまが集団生活を送る施設であれば、訪問支援が可能です。2025年11月から開始予定のサービスなので、詳しくはお問い合わせください。
Q11. 支援級を選ぶか迷っています。決断のポイントは?
A. 最も大切なのは、「お子さまが安心して過ごせる環境はどこか」という視点です。通常学級で頑張ることが必ずしも正解ではありません。お子さまが自信を持って学び、友達と楽しく過ごせる場所を選ぶことが、将来の成長につながります。迷ったときは、複数の専門家に相談し、実際に学校を見学して、納得のいく選択をしてください。
Q12. 支援級に入ると、友達ができにくいのでは?
A. 支援級では少人数ですが、交流及び共同学習で通常学級の友達と一緒に活動する機会もあります。また、放課後等デイサービスなど、学校以外の場所でも友達作りの機会はたくさんあります。大切なのは、お子さまが安心して関われる環境を整えることです。
Q13. 相談支援事業所に相談すると、費用はかかりますか?
A. 相談支援事業所での相談は、基本的に無料です。サービス等利用計画の作成やモニタリングも、障害福祉サービスの一環として提供されるため、保護者の方の自己負担はありません。
Q14. ものづくりやプログラミングは、支援に役立ちますか?
A. はい、とても役立ちます。ロボット作りやプログラミングは、論理的思考力や問題解決能力を育てるだけでなく、「できた!」という達成感を通じて自己肯定感を高めます。また、作品を通じて他者とコミュニケーションを取る練習にもなります。手を動かしながら学ぶことで、お子さまの得意が見つかることもあります。
Q15. 支援級について、周りの目が気になります。
A. お子さまの幸せを第一に考えることが大切です。周りの目よりも、お子さまが安心して学べる環境を選ぶことが、将来の自立や幸せにつながります。また、近年は支援級への理解が進んでおり、多くの保護者の方が「子どもに合った選択をした」と前向きに捉えています。
まとめ:お子さまに合った選択を
支援級の決め方は、お子さまの個性や特性、ご家族の状況によって異なります。大切なのは、お子さまが安心して学び、成長できる環境を選ぶことです。
支援級の決め方のポイント
- お子さまの様子をよく観察する
- 園の先生や専門家に相談する
- 実際に学校を見学する
- 就学相談を受ける
- 複数の選択肢を比較検討する
さいたま市では、南区、浦和区、大宮区、中央区など、どの地域でも支援級が整備されており、お子さまに合った学びの場を選ぶことができます。また、放課後等デイサービスや児童発達支援、保育所等訪問支援、相談支援事業所など、学校生活をサポートする福祉サービスも充実しています。
一人で悩まず、ぜひ専門家に相談してみてください。お子さまの笑顔と成長を、地域全体で支えていきましょう。
お問い合わせ・ご相談
FabriCo(ファブリコ)さいたま新都心
放課後等デイサービス・児童発達支援
住所:埼玉県さいたま市南区別所5-15-2
施設の詳細はこちら
こども相談支援 Un-School 計画 相談支援
障害児相談支援事業所
住所:さいたま市浦和区上木崎1-7-1
営業日:毎週月曜日 10時〜17時
アクセス:JR与野駅から徒歩7分、さいたま新都心駅から徒歩8分
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保育所等訪問支援(2025年11月開始予定)
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