不登校のための学校を作る前に考えたいこと:学校が変わる必要性と障害支援の大切さ【さいたま市・浦和・与野・大宮エリア】

今日は、ちょっと深いお話をしてみたいと思います。

さいたま市で来年4月に開校する「いろどり学園」。とても素晴らしい取り組みですが、「不登校の子のための学校を作るだけで本当に大丈夫かな?」という疑問を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。

お話を聞かせてくれるのは、さいたま市のFabriCoで相談支援をしている佐藤さん(仮名)です。浦和・与野・さいたま新都心・大宮エリアで、長年子どもたちの支援に関わってきた経験から、率直にお答えします。


「なぜ不登校になるの?」という根本的な問題

お母さん:「うちの子が不登校になってから、ずっと考えているんです。なぜこんなに不登校の子が増えているんでしょうか?」

佐藤さん:「とても大切な疑問ですね。文部科学省の調査でも、不登校の子どもは年々増えています。でも、『なぜ増えているのか』をしっかり考えないと、根本的な解決にはならないと思うんです。」

お母さん:「いろどり学園みたいな学校ができれば解決するんじゃないんですか?」

佐藤さん:「いろどり学園は本当に素晴らしい取り組みです。さいたま市が子どもたちのことを真剣に考えている証拠だと思います。でも、不登校の子のための学校を作るだけでは、本当の解決にはならないかもしれません。」

なぜ不登校が増えているのか?

佐藤さん:「不登校が増えている理由を考えてみましょう:

1. 学校のシステムの問題

  • みんな同じことを、同じペースで学ぶシステム
  • 個人の違いを認めにくい環境
  • 競争が激しい雰囲気

2. 社会の変化

  • 多様性が認められる時代になった
  • でも学校は昔のまま
  • 子どもたちの個性が強くなった

3. 発達特性の認識の向上

  • 昔は『変わった子』で済まされていた
  • 今は発達障害として認識される
  • でも学校の対応が追いついていない」

お母さん:「つまり、学校に問題があるということですか?」

佐藤さん:「学校が悪いということではありません。でも、今の学校のやり方が、すべての子どもに合うわけではないということです。」


本当は学校自体が変わる必要がある

お母さん:「じゃあ、どうしたらいいんでしょうか?」

佐藤さん:「理想を言うなら、普通の学校自体が変わる必要があると思います。」

お母さん:「学校が変わるって、どういうことですか?」

佐藤さん:「例えば:

学校が変わるべきポイント

1. 個別対応の充実

  • 一人ひとりの学習ペースに合わせる
  • 得意なことを伸ばす時間を作る
  • 苦手なことは別のアプローチで

2. 多様な学び方を認める

  • 座って授業を聞くだけが学習じゃない
  • 体を動かしながら学ぶ子もいる
  • 一人で集中したい子もいる

3. 評価方法の見直し

  • テストの点数だけで判断しない
  • その子なりの成長を認める
  • 競争よりも協力を大切にする

4. 先生のサポート体制

  • 専門家との連携
  • 研修の充実
  • 一人の先生が何十人も見るのは限界がある」

お母さん:「確かに、そうなったら不登校の子も減りそうですね。」

佐藤さん:「そうなんです。すべての子どもが安心して通える学校になれば、『不登校の子のための学校』を別に作る必要もなくなるかもしれません。」


でも、現実的には時間がかかる

お母さん:「でも、学校全体が変わるのって、時間がかかりそうですね…」

佐藤さん:「その通りです。学校全体が変わるのは、残念ながら時間がかかります。だからこそ、いろどり学園のような取り組みが今は必要なんです。」

学校が変わりにくい理由

佐藤さん:「学校が変わりにくい理由:

1. システムの問題

  • 文部科学省の決まりがある
  • 教育委員会の方針
  • 予算の問題

2. 人の問題

  • 先生たちも忙しい
  • 新しいやり方を覚えるのは大変
  • 保護者からの理解も必要

3. 社会の問題

  • 『昔からこうやってきた』という考え
  • 変化に対する不安
  • 『みんな一緒』を好む文化」

お母さん:「確かに、すぐに変わるのは難しそうです…」

佐藤さん:「でも、少しずつ変わっている学校もあります。いろどり学園は、そういう変化の先駆けかもしれません。他の学校にも良い影響を与えるかもしれませんね。」


障害の問題は別に考える必要がある

お母さん:「ところで、うちの子は発達障害かもしれないって言われたんです。それも不登校と関係あるんでしょうか?」

佐藤さん:「とても大切なポイントです。障害に関する困難は、学校の問題とは別に考える必要があります。」

お母さん:「別に考えるって、どういうことですか?」

佐藤さん:「例えば:

学校の問題と障害の問題の違い

学校の問題

  • 授業の進め方
  • クラスの雰囲気
  • 先生との関係 → 学校が変わることで解決できる

障害による困難

  • 読み書きが苦手(学習障害)
  • じっとしていられない(ADHD)
  • 人とのコミュニケーションが苦手(自閉スペクトラム症) → 専門的な支援が必要

つまり、いろどり学園のような学校の改革と、障害福祉サービスの両方が必要ということです。」

お母さん:「ああ、そういうことなんですね。」


障害の困難をクリアする具体的な方法

お母さん:「障害の困難をクリアするって、具体的にはどうするんですか?」

佐藤さん:「障害福祉サービスを使って、その子の困難を一つずつクリアしていくんです。」

障害福祉サービスでできること

佐藤さん:「例えば:

読み書きが苦手な子の場合

  • 放課後等デイサービスで、その子に合った学習方法を見つける
  • 視覚的な教材を使った学習
  • タブレットを使った学習

コミュニケーションが苦手な子の場合

  • ソーシャルスキルトレーニング
  • 小集団での練習
  • 場面カードを使った練習

注意集中が苦手な子の場合

  • 環境の調整(静かな場所、集中しやすい環境)
  • 短時間での活動
  • 体を動かす時間を作る」

お母さん:「そういう支援があると、学校生活も楽になりそうですね。」

佐藤さん:「そうなんです。障害による困難がクリアできれば、どんな学校でも過ごしやすくなります。いろどり学園でも、普通の学校でも同じです。」


いろどり学園×障害福祉サービスの組み合わせ

お母さん:「いろどり学園に通いながら、障害福祉サービスも使えるんですか?」

佐藤さん:「はい、併用できます。実際に、そうすることでより良い結果が期待できます。」

理想的な支援の組み合わせ

佐藤さん:「例えば:

いろどり学園で得られるもの

  • 少人数での安心できる学習環境
  • 個別のペースに合わせた授業
  • オンラインも活用した柔軟な学び方

障害福祉サービスで得られるもの

  • その子の特性に特化した専門支援
  • ソーシャルスキルの練習
  • 将来に向けた生活スキルの習得

この組み合わせで:

  • 学校で安心して学ぶ
  • 苦手なことは専門的にサポート
  • 得意なことはさらに伸ばす」

お母さん:「なるほど、どちらか一つじゃなくて、両方使うのがいいんですね。」


例:Dちゃんの場合

お母さん:「実際に、そういう支援を受けた子の話を聞かせてもらえますか?」

佐藤さん:「プライバシーに配慮して、お話ししますね。

Dちゃんの場合(小学4年生)

最初の状況

  • 普通の小学校で不登校になった
  • 読み書きが苦手で、授業についていけない
  • クラスメートから『勉強ができない』と言われて傷ついた

お母さんの気持ち

  • 『学校が悪いのか、子どもの問題なのか分からない』
  • 『いろどり学園なら大丈夫かな』

相談支援での整理

  1. 学校の問題:競争が激しく、個別対応が不十分
  2. 障害の問題:読み書きの学習障害がありそう

支援の組み合わせ

  • いろどり学園:安心して学べる環境
  • 放課後等デイサービス:読み書きの専門的な支援
  • 相談支援:定期的な見直しと調整

6ヶ月後の様子

  • いろどり学園では毎日楽しく通学
  • 放課後デイで読み書きのコツを覚えた
  • 『勉強って楽しい』と言うようになった
  • 将来は『本屋さんになりたい』と夢ができた」

お母さん:「学校を変えることと、専門的な支援の両方があったから良くなったんですね。」

佐藤さん:「そうなんです。どちらか一つだけでは、ここまでうまくいかなかったかもしれません。」


FabriCoが目指すもの:根本的な解決

お母さん:「FabriCoさんは、どんなことを大切にしているんですか?」

佐藤さん:「私たちFabriCoが大切にしているのは、根本的な解決です。」

FabriCoの考え方

佐藤さん:「私たちは:

1. 『学校以外の選択肢を作る』

  • 2011年からプログラミング教育をやってきました
  • 学校だけが学びの場じゃないという考え
  • でも、学校の良いところも認めています

2. 『その子らしさ』を大切にする

  • 障害があってもなくても、その子らしく成長してほしい
  • 苦手なことを無理にやらせるより、得意なことを伸ばす
  • でも、必要な支援はしっかり提供する

3. 長期的な視点

  • 今だけでなく、将来のことも考える
  • 高校、大学、就職まで見据えた支援
  • 社会で自立できることを目指す

4. 包括的なアプローチ

  • 学校の問題と障害の問題を分けて考える
  • 必要な支援を組み合わせる
  • 家族全体をサポートする」

お母さん:「根本的な解決って、具体的にはどういうことですか?」

佐藤さん:「例えば:

対症療法(一時的な対応)

  • とりあえず学校を休ませる
  • とりあえず別の学校に移す

根本的な解決

  • なぜ学校に行けないのかの原因を探る
  • 原因に応じた適切な支援を提供する
  • その子が将来自立できるスキルを身につける

私たちは、根本的な解決を目指しています。」


浦和・与野・大宮エリアでの具体的な支援

お母さん:「さいたま市内では、どんな支援が受けられるんですか?」

佐藤さん:「浦和・与野・さいたま新都心・大宮エリアには、たくさんの選択肢があります。」

さいたま市内の選択肢

佐藤さん:「例えば:

学校関係

  • いろどり学園(令和8年4月開校予定)
  • 適応指導教室(さいたま市運営)
  • 民間のフリースクール

障害福祉サービス

  • 放課後等デイサービス(たくさんあります)
  • 児童発達支援
  • 保育所等訪問支援
  • 相談支援事業所

その他

  • 民間の学習塾
  • 習い事(音楽、スポーツ、アートなど)
  • 地域の活動

そして、私たちFabriCoの相談支援事業所では:

  • 浦和区上木崎(与野駅から歩いて7分)
  • これらの選択肢を整理して、最適な組み合わせを一緒に考えます」

相談支援の具体的な流れ

お母さん:「相談支援では、具体的にどんなことをしてもらえるんですか?」

佐藤さん:「こんな流れでサポートします:

ステップ1:現状の整理(初回相談)

  • お子さんの困りごとを詳しく聞きます
  • 得意なこと、苦手なことを整理します
  • 今までどんな支援を受けてきたかも確認します

ステップ2:原因の分析

  • 学校の問題なのか、障害の問題なのかを整理します
  • 複数の問題が重なっている場合は、優先順位を決めます

ステップ3:選択肢の提示

  • いろどり学園が合うかどうか検討します
  • 障害福祉サービスが必要かどうか判断します
  • その他の選択肢も含めて、幅広く検討します

ステップ4:支援計画の作成

  • 短期的な目標と長期的な目標を設定します
  • 使うサービスの組み合わせを決めます
  • 優先順位と実施スケジュールを決めます

ステップ5:実行とフォロー

  • 各種申請のお手伝いをします
  • 見学や体験の手配をします
  • 定期的に様子を聞いて、計画を調整します」

お母さん:「とても丁寧にサポートしてもらえるんですね。」

佐藤さん:「一人で悩まないでほしいんです。専門家と一緒に考えることで、きっと良い道筋が見つかります。」


将来への希望:みんなが安心できる社会

お母さん:「将来的には、どんな社会になってほしいですか?」

佐藤さん:「すべての子どもが、その子らしく成長できる社会になってほしいと思います。」

理想的な未来

佐藤さん:「私たちが目指している未来:

1. 学校が変わる

  • 個人の違いを認める学校
  • 多様な学び方を選べる学校
  • 誰でも安心して通える学校

2. 社会の理解が進む

  • 障害があっても当たり前に受け入れられる
  • いろんな働き方、生き方が認められる
  • 『みんな違ってみんないい』が実現する

3. 支援が充実する

  • 困ったときにすぐ相談できる
  • 必要な支援がすぐに受けられる
  • 子どもも家族も安心できる

そのためには、いろどり学園のような新しい取り組みと、障害福祉サービスの両方が必要です。どちらも大切で、どちらも応援したいと思います。」


まとめ:今できることから始めよう

佐藤さん:「今日の話をまとめると:

1. 根本的な解決が必要

  • 不登校の子のための学校を作るだけでは不十分
  • 学校全体が変わる必要がある
  • でも、それには時間がかかる

2. 障害の問題は別に考える

  • 学校の問題と障害の問題は分けて考える
  • 障害による困難には専門的な支援が必要
  • 適切な支援があれば、困難はクリアできる

3. 組み合わせが大切

  • いろどり学園×障害福祉サービス
  • 学校の安心感×専門的な支援
  • 短期的な対応×長期的な視点

4. 相談支援で一緒に考える

  • 一人で悩まず、専門家と一緒に
  • その子に合った最適な組み合わせを見つける
  • 根本的な解決を目指す

理想的な社会になるまでには時間がかかりますが、今できることから始めていきましょう。お子さんの笑顔のために、私たちと一緒に考えませんか?」

お母さん:「今日はありがとうございました。一人で考えていたより、ずっと希望が持てました。」

佐藤さん:「それは良かったです。お子さんの未来は明るいと思います。困ったときは、いつでもご相談くださいね。」


さいたま市・浦和・与野・大宮エリアの皆さんへ

私たちFabriCoは、「学校以外の選択肢を作る」という理念のもと、長年子どもたちの支援をしてきました。

いろどり学園のような新しい学校の取り組みも素晴らしいと思います。同時に、学校全体が変わっていくこと、そして障害による困難を適切にサポートすることも、とても大切だと考えています。

不登校の根本的な解決には、いろんなアプローチが必要です。一人ひとりの子どもに合った支援の組み合わせを見つけることが、私たちの役目だと思っています。

浦和区にある私たちの相談支援事業所では、与野駅から歩いて7分、さいたま新都心駅からも歩いて8分の場所で、皆さんのご相談をお待ちしています。

「学校に行けないのは、学校が悪いの?子どもの問題なの?」 「いろどり学園に行けば解決するの?」 「根本的に解決するには、どうしたらいいの?」

そんな疑問やお悩みがあったら、一人で抱え込まずにご相談ください。お子さんの明るい未来のために、私たちと一緒に根本的な解決を目指していきましょう。


お問い合わせ・ご相談はこちら

FabriCo 相談支援事業所

  • 施設の詳しい情報https://fabrico.fun
  • 相談支援についてhttps://fabrico.fun/consultation/
  • 場所: さいたま市浦和区上木崎1-7-1 近代模型ビル2・3階
  • 相談日: 毎週月曜日 10時~17時
  • アクセス: JR与野駅から歩いて7分、さいたま新都心駅から歩いて8分

いろどり学園について詳しく知りたい方

  • さいたま市教育委員会事務局総合教育相談室
  • 電話: 048-688-1453(平日9:00~17:00)

根本的な解決を目指して、お子さんの未来を一緒に考えませんか?まずはお気軽にご相談ください。

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