はじめに:さいたま市の不登校支援の現状
さいたま市にお住まいで、お子さんの不登校でお悩みの保護者の皆様、一人で抱え込まずに適切なサポートを受けることが重要です。
令和5年度の文部科学省調査によると、全国の小中学校における不登校児童生徒数は346,482人となり、11年連続で増加し続けています。これは全国的な現象であり、さいたま市でも例外ではありません。
重要なことは、2016年に文部科学省から「不登校は問題行動ではない」との通知が出されたことにより、不登校への捉え方が大きく変わったことです。現在は「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」が推進され、学校に通えない間も学習機会を確保することが最優先とされています。
本記事では、さいたま市内で利用できる具体的な不登校支援について、最新の情報をもとに詳しくご紹介します。
さいたま市の不登校支援体制の特徴
先進的なICT活用支援
さいたま市は全国に先駆けて、不登校児童生徒への先進的な支援を展開しています。特に注目すべきは、2022年4月に開設された「不登校等児童生徒支援センターGrowth(グロウス)」です。この施設は、従来の適応指導教室とは異なり、ICTを積極的に活用したオンライン学習支援を特徴としています。
多様な学びの選択肢を重視
さいたま市では、一人ひとりのお子さんにあった学びのあり方を重視し、従来の「教室で授業を受ける」という形にとらわれない多様な選択肢を提供しています。これにより、お子さんの個性や特性に応じた最適な学習環境を見つけることが可能です。
教育支援センター(旧適応指導教室)について
教育支援センターとは
令和2年度より、「適応指導教室」は「教育支援センター」に改称されました。教育支援センターは、各地域の教育委員会が開設し、児童生徒一人ひとりに合わせた個別学習や相談などを行う施設です。
教育支援センターの役割と特徴
主な目的
- 集団生活への適応支援
- 基礎的な学力の補充
- 基本的生活習慣の改善に向けた相談・指導
- 在籍校への復帰支援
学習面の特徴
- 在籍している学校との密接な連携
- 個別対応による学習指導
- 体験活動の組み込み
- 心理専門職によるカウンセリング
重要なポイント 教育支援センターへの出席は、在籍校の出席扱いとなります。これにより、お子さんの学習記録に空白が生まれることなく、将来の進路にも影響しません。
さいたま市内の教育支援センター一覧
さいたま市では、市内6か所に教育相談室があり、それぞれに教育支援センターが併設されています。
北教育相談室・教育支援センター「はばたき」
- 電話番号:048-661-0050
- 住所:さいたま市北区日進町2-1915-1(さいたま市立つばさ小学校体育館2階)
堀崎教育相談室・教育支援センター
- 電話番号:048-688-1414
- 住所:さいたま市見沼区堀崎町48-1(さいたま市職員研修センター1階)
あいぱれっと教育相談室・教育支援センター
- 電話番号:048-711-5433
- 住所:さいたま市浦和区上木崎4-4-10(さいたま市子ども家庭総合センター3階)
岸町教育相談室・教育支援センター
- 電話番号:048-838-8686
- 住所:さいたま市浦和区岸町6-13-15(さいたま市立教育研究所1階)
美園教育相談室・教育支援センター
- 電話番号:048-711-7215
- 住所:さいたま市緑区美園4-19-1(美園コミュニティセンター3階)
岩槻教育相談室・教育支援センター
- 電話番号:048-790-0227
- 住所:さいたま市岩槻区本町3-2-5(ワッツ東館4階)
利用時間 月曜日から金曜日 9:00~17:00(祝休日・年末年始を除く)
不登校等児童生徒支援センターGrowth(グロウス)の詳細
Growthの概要と理念
「不登校等児童生徒支援センター Growth(グロウス)」では、不登校や病気等で長期欠席をしている児童生徒が、オンライン学習等のICTを活用した学習支援活動等を通して、学ぶ喜びや人とのつながりを実感し、社会的に自立していくことを目指します。
Growthは、お子さんたちに学校でも家庭でもない「第三の居場所 サードプレイス」を提供するという理念のもと、2022年4月にスタートした新しい事業です。
利用対象者
さいたま市立小学校・中学校・高等学校・中等教育学校に在籍し、断続的・継続的に学校に通学できない状態が、原則30日以上続く、オンライン学習を希望している児童生徒が対象となります。
Growthが大切にしている5つのポイント
- 「つながりを大切にすること」 人と人とのつながり、学びとのつながりを重視した支援を行います。
- 「オンラインとリアルのハイブリッド」 オンライン学習の利点を活かしながら、必要に応じてリアルな体験活動も取り入れます。
- 「指導要録上の出席扱い」 Growthでの学習活動は、在籍校の出席として扱われます。
- 「家庭へのサポート」 お子さんだけでなく、保護者への相談支援も充実しています。
- 「ピア(共に)で学び合う環境の提供」や「文化的経験」 同じような経験を持つ仲間との学び合いと、豊かな文化的体験を提供します。
Growthの具体的な活動内容
1. オンライン学習支援
- お子さんの学びのきっかけとなるオンライン授業
- 個別学習支援および学習目標の設定などのサポート
- 学校から配付されている1人1台端末を使って、様々な学習支援等を行います
2. 多様なプログラム
- オンラインによるホームルーム
- 他自治体との連携授業
- 日帰り体験活動、農業体験
- オフ会等のリアルな交流機会
3. 教育相談・サポート体制
- Growth在籍の専門職による教育相談
- 指導主事による学習相談
- 市内の教育相談室との連携
最新技術の活用
さいたま市では、Growthにおいて2023年11月から3D教育メタバースの活用を開始しています。これにより、仲間の存在や距離を実感できる臨場感のある3Dメタバース空間を活用し、性別や容姿を気にせず自己表現ができるアバターを通じたコミュニケーションによって、協働的な学びの授業や行事等を体験できるようになっています。
フリースクールという選択肢
フリースクールとは
フリースクールは、在籍校への登校が困難な児童生徒の居場所となることが主な目的の施設です。個人経営の場所もあれば、民間企業やNPO法人によって運営されているものもあります。
フリースクールの特徴
主な目的
- 安心できる居場所の提供
- 集団生活への適応支援
- 社会との接触の維持
教育支援センターとの違い
- 学習がメインというより、居場所づくりに重点
- より自由度の高いプログラム
- 多様な価値観や教育方針
さいたま市のフリースクール連携
さいたま市立小・中学校に在籍する不登校の児童生徒を支援するため、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他関係者と、学校や教育関係機関の連携を促進することを目的として、さいたま市フリースクール等連絡協議会が設置されています。
出席扱いについて重要な情報
法的根拠の明確化
文部科学省は、令和元年10月25日に「不登校児童生徒への支援の在り方について」を通知しました。さいたま市教育委員会では、この通知を受け、「不登校児童生徒の『指導要録上の出席扱い』ガイドライン」を作成し、市立学校に周知しています。
出席扱いとなる条件
以下の場合、在籍校の出席として扱われます:
- 教育支援センターでの学習活動
- Growthでのオンライン学習活動
- 一定の要件を満たすフリースクールでの活動
- 適切な条件下での自宅学習
利用申込みの流れと相談窓口
Growthの利用申込み
令和7年度4月の利用申込みは、4月15日(火)~4月20日(日)となります。5月以降の申込みにつきましては、毎月15日~20日となります。
申込み方法 詳細な申込み方法については、Growthの公式ホームページ(https://growth.saitama-city.ed.jp/)をご確認ください。
相談窓口
不登校等児童生徒支援係
- 住所:〒337-0052 さいたま市見沼区堀崎町48-1 さいたま市職員研修センター3階
- 電話番号:048-688-1453(平日9:00~17:00まで 祝日年末年始は除く)
- FAX:048-711-5672
24時間相談ダイヤル さいたま市在住・在学のお子さん、または保護者の方は、24時間子どもに関する相談全般を通話無料で受け付けます。
保護者への支援とサポート
家族全体への配慮
不登校は、お子さんだけでなく家族全体に影響を与える問題です。さいたま市では、以下のような保護者支援も充実させています:
- 保護者向け教育相談
- 家族カウンセリング
- 保護者同士の交流機会
- 情報提供と啓発活動
兄弟姉妹への配慮
不登校のお子さんがいる家庭では、兄弟姉妹への影響も考慮する必要があります。必要に応じて、兄弟姉妹向けのカウンセリングや相談も利用できます。
将来の進路と社会復帰支援
多様な進路選択
不登校を経験したお子さんでも、以下のような多様な進路選択が可能です:
中学生の場合
- 全日制高校への進学
- 通信制高校・定時制高校
- サポート校
- 高等専修学校
高校生の場合
- 転校・編入学
- 通信制高校への転籍
- 高等学校卒業程度認定試験
社会的自立への支援
さいたま市の不登校支援では、単なる学校復帰ではなく、お子さんが社会的に自立することを最終目標としています。そのために、以下のような支援を提供しています:
- 職業体験プログラム
- ソーシャルスキルトレーニング
- キャリア教育
- 進路相談・進学指導
さいたま市独自の取り組みと特色
先端技術の積極的導入
さいたま市では、全国に先駆けて先端技術を不登校支援に活用しています:
- 3D教育メタバースの導入
- AI技術を活用した学習支援
- VR・AR技術の教育活用
- オンライン学習プラットフォームの充実
他自治体との連携
Growthでは、他自治体との連携授業も実施しており、さいたま市だけでなく全国の不登校支援ノウハウを共有し、より良い支援の実現を目指しています。
大学生ボランティアの活用
さいたま市では、Growthにおいて大学生・大学院生・専門学生によるスキルアップメンターを募集しています。これにより、お子さんにとって身近な年齢の先輩からの支援を受けることができます。
不登校支援を利用する際の注意点
利用開始のタイミング
不登校支援サービスの利用開始に「早すぎる」ということはありません。むしろ、早期の相談・利用開始により、以下のメリットがあります:
- 学習の遅れを最小限に抑制
- 社会とのつながりの維持
- 保護者の不安軽減
- 多様な選択肢の確保
お子さんの意思の尊重
支援を利用する際は、必ずお子さん本人の意思を尊重することが重要です。無理強いは逆効果になる可能性があります。
段階的なアプローチ
いきなり集団活動に参加するのが困難な場合は、以下のような段階的なアプローチが有効です:
- 家庭での相談・カウンセリング
- 個別面談・学習支援
- 小集団での活動参加
- 大きな集団での活動参加
- 学校復帰または進路決定
まとめ:さいたま市で安心の不登校支援を
さいたま市では、全国でも先進的な不登校支援体制を整備しており、お子さんと保護者の皆様が安心して利用できる多様な選択肢を提供しています。
重要なポイント
- 不登校は決して珍しいことではなく、全国で346,482人の児童生徒が同様の状況にあります
- さいたま市には教育支援センター、Growth、フリースクールなど多様な選択肢があります
- オンライン学習や先端技術を活用した支援が充実しています
- 出席扱いとなるサービスが多数用意されています
- 保護者への支援体制も整っています
今すぐできること
- 最寄りの教育相談室に電話相談
- Growthの見学・説明会への参加申込み
- 24時間相談ダイヤルの利用
- フリースクール等の情報収集
お子さんの不登校でお悩みの保護者の皆様、一人で抱え込まずに、さいたま市の充実した支援体制を活用してください。お子さん一人ひとりに最適な学びの形が必ずあります。
相談・問い合わせ先 さいたま市教育委員会事務局 学校教育部 総合教育相談室 不登校等児童生徒支援係 電話:048-688-1453(平日9:00~17:00) Growth公式サイト:https://growth.saitama-city.ed.jp/