こんにちは!
児童発達支援・放課後等デイサービスFabriCoです!
今日はFabriCoで実際にあったエピソードをご紹介したいと思います。
〜言葉より先に手が出てしまうお子さん〜
「てめぇふざけんなよ!!」
お部屋にそんな声が響き、見ると1人の男の子、Aくんが、近くにいたBくんに殴りかかっていました。
「Aくん!やめなさい!」
すぐに2人を引き離しました。そしてまず掴みかかっていたAくんに話を聞きました。
「どうしてこんなことしたの?何があったの?」
すると怒りが収まらない様子でまた掴みかかろうとしながら答えました。
「こいつが俺の作った作品に触ったんだよ!」
見ると、レゴで上手に作った車が一つ置いてありました。
どうやらその車をBくんに勝手に触られたことが嫌だったようです。
「そうなんだね。それが嫌だったんだね。でもだからって痛い思いをさせるのは違うんじゃない?」
「違わねぇよ!壊れたらどうすんだよ!」
「そっか、不安だったんだね。でも、見て、Aくんすごく上手に、頑丈に作ったから全然壊れてないよ。それにBくんも叩かれてそんなふうに怒鳴られたら怖かったし、不安だったと思うよ。」
そう伝えると、少し落ち着きを取り戻しバツが悪そうにしながらも、
「そんなこと知らねーよ!こいつが悪いんだよ!」と言っていました。
「うん、勝手に触られるのは嫌だよね。それは分かるよ。でもそれは言葉で、「やめて」って伝えることだよ。叩いちゃったらAくんも悪いってなっちゃってこうやって叱られちゃうじゃない。それは勿体無いと先生は思うなぁ。」
そう伝え、お友達にも話を聞きに行きました。
「Bくん、痛かったよね、大丈夫?Aくんね、勝手に車触られたのが嫌だったんだって。どうして触っちゃったの?」
こう尋ねると、
「カッコよかったから…」と答えてくれました。
そこで、
「そっか、カッコよくて思わず触っちゃったんだね。でも何も言わないで触っちゃうと、大事な車を取られちゃう、壊れちゃうって不安になっちゃうと思うよ。「触ってもいい?」って聞いてからにしようね。」
こう伝えるとうなづいてくれ、
「ごめんなさいできるかな?」
と尋ねると再びうなづいてくれました。
そうして一緒にAくんの元へ行くとBくんから、
「さっきはごめんね」
と伝えることができました。
Aくんは指導員とBくんのやりとりも聞いていて、Bくんの気持ちも理解できた様子でした。
なのでその言葉を聞くとすぐに、
「いいよ。おれもごめんな。」
と答え、その後はAくんのほうからBくんに歩み寄り、一緒に遊び始めました。
その後の2人はなんだかより絆が深まったような様子で、送迎車の中でも隣同士に座って仲良く帰って行きました。
何か取り組んでいることに失敗してしまった。お友達に注意をされたり邪魔をされた。たまたま誰かとぶつかってしまった。
そんな、”思い通りにいかない”ことがあるとイライラして衝動的に相手を叩いたり、物を投げたりしてしまうお子さん。
そんな時いつもFabriCoでは、「どうして叩いてしまったのか」、「何が嫌だったのか」、
本人の気持ちを確認します。そこには必ず本人なりの”理由”があるからです。
その上で相手のお友達にも教えてくれた気持ちを伝えたり、その子のお話も聞いてまたお友達に伝えます。そんなやりとりを、お互いに「どうしてそうなってしまい、何がいけなかったのか」「どうすれば良かったのか」理解できるまで繰り返します。
お友達と言葉でコミュニケーションを取るのが苦手な子や、感情が昂ってしまい、落ち着いてお話をするのが難しい子は、大人が間に入り、代弁して気持ちをそれぞれ伝えてあげるとスッと理解して落ち着けたり、その後お互いに自分の言葉で「ごめんね」と伝え、仲直りをすることができたりします。
そんなやりとりを繰り返すことで、子どもたちは少しずつ自分の気持ちを言葉にできるようになっていきます。
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